[Apple] Gruber の視点から

近畿地方では木枯らし一号が吹いた。ティム・クックの新時代 - Gruber の視点(5) | maclalala2ネタ。山下さんのシリコンバレー101 (538) 実質無料以上に驚かされた「iWork」の変貌ぶり | マイナビニュース

Appleは着実に前進している。iPad 2は手渡すと重いねと言われる。601g。iPad Airは469g。性能の大幅な向上ととともに大幅な軽量化を達成する。iPad mini Retinaは331g。miniのRetina化は23gの重量増をもたらしたが、小さなサイズの中では重量の削減はより困難になるし、331gは十分に軽いので問題はない。

iWorkの機能の削減について山下氏が詳細に伝えている。Gruberの見解にも言及している。あらゆるデバイスで共通のファイル形式を取り扱えることを優先した結果である。特にWeb版となるiWork for iCloud betaでAppleScriptを動作させるのは大変だろう。結局はすべてをJavaScript/HTML5/CSSで書き直すことになる。パフォーマンスはサーバーサイドでどこまでやるのかという問題はあるのだろうけど。

現状を把握するには、Gruber氏のDaring Fireball Linked List: iWork 13 and AppleScriptからリンクされているiWork 13 ― A Huge Regression : Clark's Tech Blogを参考にすればよい。

山下洋一氏はどのデバイス環境からも同一のファイルを編集できるほうが優先されるという意見だ。難しいところだ。僕らはデスクトップと同じ環境を使えるデバイスを求めてしまう。両方からのせめぎあいで、次第にハードとソフトをどのように進化させつつ使うのか、結論が出てくる。

Windows8.1は一気にデスクトップと同一の環境をタブレット上に実現できるのかどうかだ。性能が出て、コストさえ見合えばそれを選択するのがよい。iOS/Mac、Windows他のOS環境で動作するWeb版、いずれの環境もサポートするのがAppleの戦略である。Windows用ブラウザから使うiCloudであっても、iOS/Macなど他のAppleデバイスのユーザーでなければ使うことはできない。iWork for iCloudは、特にiOSデバイスにWindowsユーザーを誘導することが目的である。iTunesの戦略を拡大したに過ぎないとも言えるが、あまり音楽に興味を持たないユーザーの中には重要な切っ掛けと感じる人も多いかもしれない。

さて、このアップルの戦略は成功するだろうか。大変興味深い。iWorkがMS Officeの代わりになるかどうかは必ずしもキーポイントにならないのかもしれない。デスクトップとモバイルの融合が実現したことにより、モバイルがデスクトップに追いついたかと思ったのだが、奇妙なデスクトップの後退をもたらした。ある意味、Windowsは強力なデスクトップであり続ける。スーパーコンピュータ並の能力を持つMac Proはオフィスソフトを動かすためのものではないというわけだ。

(追記)さすがに後退は許されない。アップルのサポートからAbout the new iWork for Mac: Features and compatibilityのアナウンスが出た。しかし、ニューリリースまでに6ヶ月を要し、iWork '09から失われたすべての仕様を再導入することを保証しているわけでもなさそうだ。いずれにせよ、モバイルとデスクトップの両立は今もって難しい地点にあるのだ。

更新: 2013-11-07T22:40:39+09:00

[アート] シャガール展

さて、色気のない日記に少し彩を。シャガールの色彩は素晴らしい。最近は疲れていて、画像の取り込み・画像処理やFTPなどが面倒で写真を掲載するパワーがない。昨日、データ・ジャーナリズムのキャンプに応募しないかと声を掛けられて少し元気が出た。「エンジニア X アナリスト X デザイナー X ジャーナリスト・チームでつくる新しいニュース」というわけ。もっともそんな余裕はないわけで、丁重にお断りするしかなかったけど。ある意味、それに近いことを毎日やっている。

宇品のBOMBAYで昼食にカレーを食した後、車で広島県立美術館に向かった。地下駐車場は空いていて、シャガール展の会場も混み合ってなく、ゆったりと見れたのはありがたかった。3章に分けられた300点以上に及ぶ詳細で色彩豊かな展示は素晴らしかった。彫刻や陶器もあった。鳥と人の顔の二面性を持つ神話的な人物などお馴染ではあるが、単なるファンタジー的な独特の画風を持つ画家という先入観を取り払うには十分な多様な展示であった。旧約聖書から題材を取ったシリーズは初めて見たような気がする。長期間にわたって描かれ、苦労がしのばれる。97歳没。

images/2013/11/image147789.pngシャガール展のパンフ・チケット・出品目録

[ビジネス] 壮大な夢、夢を追える人

今日は寒かった。外気温が10℃を切った。完全にグロッキーだが、なんとか動いている。いろいろ有り過ぎだが、一歩ずつ。起業、チーム、失敗への恐怖--PayPal、Tesla、SpaceXのイーロン・マスク氏が語る - CNET Japanネタ。

イーロン・マスクはElon Muskと書く。変わった名前だが、経歴も変わっている。信じられないぐらいチャレンジングだ。すごいもんだねえ。まだ42歳。才能のある人が集まっているということだが・・・

テスラCEOのE・マスク氏、「Hyperloop」を発表--時速約1220kmの新輸送システム - CNET Japanのようなことも考えている。

更新: 2013-11-12T22:12:22+09:00

[ビジネス] なぞなぞ

家内から、夜空の星について聞かれた。あー、あれはオリオン座だよ。気になっていたことを思い出して調べると、今年は宵の明星、金星が大晦日ぐらいまで見えるらしい。夜空の謎はともかく、ビジネスの謎。アップル製テレビ、「ウェアラブル機器」発売まで保留か - CNET Japanなどネタ。

なぜApple製テレビの発売がウェアラブル機器発売と関係があるのか。最近は意味がよくわからないタイトル記事が多い。タイトルで引き付けようと無理があるタイトルを付ける傾向がある。本日記もそうかも^^;)

もう一つ、アップル、曲面ディスプレイ搭載の「iPhone」2機種を開発中か - CNET Japanネタ。なぜ、スマホに曲面ディスプレイが必要なんだろう。必然性が理解できない。サイズと容積、すなわち重さとの関係か。常識に囚われているかな。

それに関係しているニュース。アップルがGTとサファイア供給契約、アリゾナ工場向け - WSJ.comネタ。指紋認証センサーやカメラのカバーグラスにサファイアが使われているらしいが、ディスプレイに使う可能性もあるという。本当かな。

最後に、Telepathy井口氏「簡単でないからこそやっている」--デバイスの発売は2014年に - CNET Japanネタ。バッテリーはどう見ても問題のように思える。さて、最終的にどのようなデザインになるのか。

更新: 2013-11-12T23:10:39+09:00

[デバイス] フレキシブル・ディスプレイが載るのは腕時計か腕輪か

iWatchはLG製フレキシブル有機ELデイスプレイを搭載し、2014年に発売開始? : ギズモード・ジャパンネタ。なんだかもっともらしい感じがしてきたね。

省電力ディスプレイデバイスとしてOELDは有力な選択肢だったけど、フレキシブルを活かせば、ディスプレイサイズだけでなく、デザインにもインパクトがある。記事の写真を見ていると、腕時計ほど適した応用はないように思えてくる。Appleにとって料理し甲斐のあるテーマのようだが。腕時計というよりは腕輪だね。

むしろ、時計という機能はほんの一部であって、電話どころかコンピュータそのものを腕輪に載せていくことになるのかもしれない。アップルのiWatchはデザイン重視で機能はシンプルという考え方は間違っていると思った方がよさそうだ。なにしろ、メガネにコンピュータが載る時代だから^^;)

第三世代iPod touchの120g程度の重量に対して、僕が身に着けているG-SHOCK GW-A1000Dは全体で160gぐらいある。時計は今時のモバイルデバイスよりも物質的な存在感は高いのだ。重量的にはコンピュータそのものが載ってもまったく不思議はない。メガネは鼻の上に載せるのでそう重くはできないだろう。普通の小さな老眼鏡(僕が装着するわけではないが)で20g程度しかない。Google Glassも普通のサングラスより軽いという話なので、重くても50g程度だろう。本格的なコンピュータを載せるウェアラブル・デバイスとして腕時計を選ぶのは現実的な選択なのである。これは腕時計を時計として捉えるか、腕輪として捉えるかの視点の違いである。GIZMODOの掲載した写真は衝撃的だった。

本物の革新はこれから起こるかもしれない。電話の再発明では終わらない。真の意味で時計メーカーは震撼することになるかもしれない。

[デバイス] Ara、レゴのようなスマホ

レゴみたいなスマホ! モトローラが組み立て式スマートフォン・プラットフォーム「Ara」を発表 : ギズモード・ジャパンネタ。

最近は考えられうるものはすべて存在するというような感じになってきた。以前はニュースの予想ネタのように情報の形態を取っていたのだが、今は物自体がそうなりつつある。「言葉と物」がセットになってきた。あればいいなあ、おもしろいと思っていると誰かが作るのだ。

もっとも、これが成功するかどうかは別の話だ。コストはむしろ高くなるだろうが、おもしろい。もう一歩進んで、それぞれの機能モジュールが無線通信して一体として動くようになる分離した形態の方が現実的ではと思う。形を一致させて一つの形状を作り上げるのは難しい。しかし、それではそれぞれに無線モジュールや電源モジュールが必要になるなあ。ボツ^^;)かな。ここでは小さな効率のよい無線や電源が確保できればよいということにしておこう。

最後はダストのようになって空気中に漂いながら身の回りで働くかもしれない。強風の日はご注意みたいな・・・

[日記] ブラック・フライデー

さらに寒くなった。一昨日の朝は5℃、昨日は3-4℃。北部は雪。ニュースにブラック・フライデーの文字がバーゲンセールと組み合わされるのが目に付いて、ブラック・マンデーの連想から、何のことなんだろうと調べた。

米国の感謝祭は11月の第4木曜日で、その翌日の金曜日をブラック・フライデーと言う。感謝祭の翌日からクリスマスまでが年末商戦となるので、クリスマス商戦初日は小売りは大きく黒字になることから、ブラックを冠する。ブラックも悪い意味ばかりではないというわけだ。

[Internet] モバイルから物のインターネットへ

Internet of Thingsという用語はいつごろから出回っているだろうか。更新日記ではEspruino - JavaScript for ThingsとArudino用メッシュネットワーク内蔵無線通信モジュール (2013/08/31)の記事で「物のインターネット」という言葉を初めて使ったが、だいぶ以前から見ていたような気がする。その実現が具体性を帯びてきた。

要はすべてのモノはセンサーに憑りつかれて計測されることになる。そこで、何がおもしろいか。Fitbitは既に話題にしたが(10/14/2013: [デバイス] Fitbitの表示はミニマム)。

まず人間がセンサー類に計測される。

[iPhone] SIMフリー版の価格

朝6℃、帰宅時10℃。寒くなった。急に寒くなって元気のなかった紅葉も次第に様になってきているようだ。アップル、iPhone 5s/iPhone 5cのSIMフリー版を国内で販売開始 | マイナビニュースネタ。

iPhone 5sの16GBモデルが71,800円、32GBモデルが81,800円、64GBモデルが91,800円。iPhone 5cでは、16GBモデルが60,800円、32GBモデルが71,800円となっている。この価格が2年分の通信料に載っているんだね。

しかしながら、SIMフリー版が出ると、いろいろなサービスが目に入ってくる。

DTIのサービスをFirefox OSと組み合わせて使いたいという感じがするけどね。150kbpsってどの程度使えるものなのだろうか。490円/月の利用料って凄いよね。実用的には、サービス詳細/料金|ServersMan SIM LTE:【dream.jp】のようになる。

日本通信のサービスは200kbpsが無料だけど、結局価格設定的にはコストパフォーマンスは同等かな。スマホ電話SIM フリーData | b-mobile SIMのTurbo Chargeは価格的に柔軟な感じ。

DTIと日本通信のSIMフリーサービス比較
サービスプラン月額基本料通話料無料通話データ通信基本料データ通信速度高速データ通信SMS基本料/通信料基本料計初期費用等一時費用計
DTIServersman SIM LTEIP電話: 315円/月(ServersMan 050)一般加入電話へ通話 8.4円/3分;携帯へ通話 16.8円/1分;国内のPHSへ通話 10.5円/1分;有料通話先プロバイダー 8.4円/3分;国際電話 アメリカ 7.5円/3分アプリ同士の通話 24時間無料!;提携先プロバイダーとの通話 24時間無料!490円/月(初期費用: 3150円)150kbps速度切り替えサービス(SiLK Sense) 100MB(263円);500MB(1315円);1GB(2630円) 専用アプリ: ServersMan SIM Unlimited基本料: 150円/月(事務手数料: 3150円);国内へ送信 3.15円/1通(税込);海外へ送信 50円/1通(非課税)955円/月6300円
日本通信スマホ電話SIM フリーData1560円/月(SIMパッケージ料金: 3000円)20円/30秒(テレビ電話などのデジタル通信 36円/30秒)なし0円/月200kbps3GB高速データオプション: 3GB/月(1560円/月)、Turbo Charge(高速通信切り替え): 100MB/90日(300円);500MB/90日(1200円)国内から国内 3円/1通  国内から海外 50円/1通  海外から 100円/1通  受信は無料1560円/月3000円

更新: 2013-11-26T22:59:09+09:00

[小説] 村上春樹 ドライブ・マイ・カー 女のいない男たち

今日は昼から運動がてら県知事選挙に出掛けた。投票率は20%強。続けて、お見舞いへ回る。短めのアンテナコードを誰かが引っ掛けて外したらしいので、室内アンテナを持参。当然、すべてのチャンネルが映るようになる。昨日届けた文藝春秋を持って帰る。12月号に表題の短編小説が書下ろしで掲載されていた。実は届ける前に既に読んでいた。86枚だからすぐ読める。

書き出しで女性運転手の分類が長々と始まったので、なんだか月並みでおもしろくないなと思ったのだが、いつのまにか引き込まれて読んでいる。俳優の妻を子宮がんでなくした初老の俳優と若い女性の専属運転手の車中の会話がメインで展開される。簡単に言えば、妻でさえ、何を考えているか、何を感じているか、わからないというお話。まあ、もっとニュアンスは複雑だが。一種の心理小説。村上春樹にはこれまでになかったような小説のような気がする。ブラッドベリ的雰囲気を漂わせているが、ファンタジーそのものではなくて、少し古い小説を読んでいるような感覚に捉われた。それでも村上春樹であることは間違いない。設定はおもしろい。この設定で続編があってもよいかも。

例によって音楽の話が出てくる。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲。本質的に聞き飽きないし、思考の邪魔をしない。昨日はアルヴァン・ベルク四重奏団の12番と14番を聴いた。

更新: 2013-11-12T01:21:26+09:00

[Operating System] 最近のenchantMOON

少し気温が上がってきた。現在外気温20℃。室内24℃。enchantMOONはMOONPhaseが2.7.0にアップデートした。MOONPhase 2.7.0 を公開いたしました | enchantMOON News- enchantMOON ; The Hypertext Authoring Tabletを参照。そして、今日から販売再開。32GBのプロフェッショナル版が出た。49,800円。16GBのスタンダード版にはないデジタイザペンの予備1本とUSBの充電ケーブルが付いている。なぜプロフェッショナル版を出したかは、enchantMOON発売再開 Professional Editionが追加された理由 - UEI shi3zの日記を参照のこと。

それはともかく、残念ながら今のところ本質的な部分は変わらない。ノートのエクスポートや同期がネットワーク経由でPCなど他のデバイスとの間で自在になれば、おもしろくなるのだが。

ノートページの管理が今のままでは難しい。分類したり(タグ付けして検索すれば可能だ)、リンク付けしたり(今でも可能ではある)、検索したり(手書き認識では精度が足りないけど)、束ねたり(これは今はできない)できるようになる必要がある。

・・・ハードウェア的にも、一点豪華主義のため、CPUや液晶は確かに最新機種に見劣りはしていますが、デジタイザーペンは分解能2048LPIで120Hzなので、最新のPC用液晶タブレットにもひけをとりません。データはベクトルで取得するので、PCに転送したときも精度が落ちません。このレベルのデジタイザーを内蔵した端末が5万円を切ることはまずありません。かなり細かい文字も書けますし認識します。

現在のenchantMOONを活かす道はおそらくデジタイザペンの一次入力デバイスとしてである。ノートページのデータ管理や閲覧・加工はPCなど他のデバイスを使った方が良い。

まあ、焦った話でもないので、しばらくMOONPhaseのアップデートを追いかけていこう。あれあれ、Amazonはプロフェッショナル版、スタンダード版両方とも在庫切れになった。

[Operating System] Android 4.4 KitKat

Android 4.4 KitKat 正式発表、「512MBでも快適」な省メモリ化のほか新機能・改善多数 - Engadget Japaneseネタ。MacのiWorkの機能カットのようにモバイルiOSアプリとの機能共通化が計られるようになった。Androidの場合はバージョンの断片化を解消することが目的らしい。

ハードウェアは高性能化と省電力化を両立させようと動いている。iOSのA7/M7の併用が象徴している。メモリは増やさない。iPhone 5sは1GBのままだ。iPhone 5s Teardown - iFixitを参照。ハードウェア構成の異なる環境で効率よく動作するためにソフトウェアはどう進化していくのだろう。結局、まったく同一のOSを載せるのではなくて、ハードウェアに応じてカスタマイズすることになるのだろうか。ディスプレイサーバーの話は出ているけど、後はデバイスドライバをハードウェアの構成に合わせて変えるだけで済むのか。

[PC] Mathematicaマシン

RaspberryPiを買うとMathematicaがついてくる | スラッシュドット・ジャパン ハードウェアネタ。

おーっ、買ってみるかと思わせる。

[物理学] 野生のデータとリアリティ

十夜一冊 第四百七十夜 圏論による論理学 高階論理とトポス (2013/04/06)で最初に圏論を取り上げたのだが、昨日、僕のHatenaのブックマークがお気に入りに追加されたというメールが届いたのがきっかけで、デイヴィッド・スピヴァックはデータベース界の革命児か -- 関手的データモデル - 檜山正幸のキマイラ飼育記を思い出した。

丸山善宏さんの「圏論的双対性の理論入門」と understanding conferrability - 檜山正幸のキマイラ飼育記再考: クリーネスター・圏論・計算の離散力学 - 檜山正幸のキマイラ飼育記あたりが新しい記事だ。クリーネスターはクリーネ閉包 - Wikipediaを参照。

僕的には、野生のデータを飼い慣らし育成する:データ・ブリーディングと進化的データベース - 檜山正幸のキマイラ飼育記あたりが似合っているのだが、トレースを使ってクリーネスター(またはクリーネプラス)を計算する方法の概略 - 檜山正幸のキマイラ飼育記なんかが気になってしまう。自然を記述する物理学自体が情報理論になってしまう可能性を考えると、野生のデータも自然の一部であることによって、数学/物理学で記述されるようになるかもしれない。それを示唆するのは正規表現の存在でもあるように感じる。

ブライアン・グリーンの「隠れていた宇宙」の原題は「The Hidden Reality」、すなわち「隠れていた実在」である。本書の最も高揚する部分は第9章「ブラックホールとホログラム - ホログラフィック多宇宙」と第10章「宇宙とコンピュータと数学の実在性」だ。引用する適当な場所を探したが、長くなりそうなので止めておこう。

もっと続く。ぼちぼち進むが、セス・ロイドの「宇宙をプログラムする宇宙」(早川書房、2007年)の帯は「いかにして『計算する宇宙』は複雑な世界を創ったか? 宇宙は一つの巨大なコンピュータだ。宇宙はなぜ複雑なのか? それは、宇宙を構成する素粒子が量子計算をしているからだ・・・・・・量子情報論の分野で世界的に著名な第一人者、セス・ロイドが大胆に描く刺激的な宇宙像。」となっている。謝辞の前におかれている「個人的な覚え書き - 情報という慰め」には、セス・ロイドをポスドクとして雇おうとしたIBMのロルフ・ランダウアは情報物理の創始者の一人であり、彼のモットーは「情報は物理的だ」と書かれている。情報という慰めという意味が何であるのかは、自ら読まれたい。「隠れていた宇宙」の下巻ではエヴェレットの量子多宇宙について多くの図を使って長々と考察している。量子情報理論とホログラフィック宇宙との関わりを連想した記事は宇宙をプログラムする (2008/05/18)にある。

グレッグ・イーガンの「順列都市(Permutation City)」(早川書房、1999年、原著: 1994年)の最後、クライマックスでは、計算された(シミュレーション)世界(MATRIXのようなもの)に予想外の別世界が出現するかのような描写があるのだが、そこで生きるとは何か、プログラミングで世界が制御可能なのかと考えさせる。ローカルには可能なんだろうけど。小説だから、思わせぶりに計算できるかのように終わるわけだが・・・

今や、本日記はこのようにして過去の記事に容易にリンクさせていくことができるようになった。もう一つの有力な候補は最大無知 (2008/05/17)である。ゲーム理論のような情報理論は統計物理学と結びついている。そして、エントロピーの話は熱力学だけでなく、「隠れていた宇宙」にあるようにブラックホールにおいて重要な役割を果たすぐらい自然において究極の本質的な概念であり、情報理論に結びついていく。

単に検索してリンクするだけでなく、リンクさせたいと考えるようなリンクだけを抽出することが自動的にできるだろうか。これは言葉と意味の関係をどのように辞書化するかという問題におそらく帰着するはずなのだが、「隠れていた宇宙」に述べられている「ひも理論」と「場の量子論」の数学の間の辞書を作るのと同じくらい難しいかもしれない。

更新: 2013-11-17T12:58:23+09:00

[絵] ローテクでハイインパクト

Make: Japan | 絵でストーリーを綴るネタ。

ここまで丁寧に構成的に書くのはむずかしいと思う。リアルタイムに書くのでは限界がある。ある程度の面積が必要だろう。enchantMOOMのノートページは文字だけならある程度入るが、絵や写真を入れるには小さすぎる。

[Processing] paperMOON Project Phase 2 - Continuous Lines.

enchantMOONをデスクトップへのpaperMOON ProjectをPhase 2へ。データを生み出す機能をデスクトップに作り出せるだろうか。何を使うかだが、やはりProcessingかなと思って試している。

images/2013/11/processing_cont_line.pngContinuous lines on Windows Chrome

ContinuousLines ≪ Examples ≪ Processing.org



images/2013/11/image32126.pngContinuous lines on iPad Safari

タブレットでは本当に連続した線になってしまう。それはなんとかなったとしても生成した線画を保存する必要がある・・・

[千夜千冊] Manetize or die

1525夜『5年後、メディアは稼げるか』佐々木紀彦|松岡正剛の千夜千冊ネタ。久しぶりの千夜千冊。

情報消費者のほうは、情報の海に溺れながらも、いかに遊泳・潜水術を身に着けるのかを問われている。メディアから有用な、あるいは興味のある情報を自在に収集し、どう編集するかが問題なのだ。

メディア側に何を期待するのだろうか。消費者が新しい情報を知るのは、様々なニュースサイトやSNSのタイムラインに引っ掛かってくれたものから、元ネタまでたどるか、Googleで直接検索するかだ。そのような経験などを通じて、定期的に直接アクセスするニュースサイトのコラムやブログがある。結局、欲しい情報を供給してくれることだ。情報の価値を示す斬新な解釈があればなおよい。

別の観点からは他の有用な情報につながるリンクを持っていることも重要だ。そのようにして情報はグラフになる。

「経験」とか、「欲しい」とか、「情報の価値」とか、「斬新な解釈」とか、そのような言葉は情報の意味に関わるものである。「検索」という行為も意味に関わる。情報のグラフをつなぐのは意味であるはずだ。頂点と辺。一つの頂点と他の頂点の性質は異なるのか。二つの頂点の相互作用が辺。頂点そのものの中にさらにグラフがあるかもしれない。

通常は、情報をグラフで具体的に表すよりは文章を書くことの方が現実的だ。文章そのものがグラフ的でもある。文の構成要素をグラフで結びつけることもできる。文の行間を読むこともできる。

僕に十分な思索があるわけではないが、ジル・ドゥルーズの「意味の論理学」(河出書房新社、2007年;原著: 「Gilles Deleuze, Logique du sens, 1969)などを眺めているとグラフ的なもの、情報理論的なものを感じることができる。意味が生ずるのは読む人がいる時だけで、読む人の頭に生ずるだけだ。意味とはメディアの中だけに存在するわけでもない。情報消費者との相互作用の中に存在するのだ。メディアのコンテンツのクリエイターがメディアに意味を仕掛けたはずだが、それが消費者に意味を想起させる。純粋な意味とは何なのか。我々は意味と無意味の情報の界面・脈絡の中で生きている。

「Manetize or die」という文脈はメディアの経済的困窮を表しているのだろうけど、若者も紙の書籍のほうが好み? | スラッシュドット・ジャパンなどの記事からは、けっして紙媒体の本が好まれないとは言えない。電子書籍は高すぎると思われているのだ。そして、Kindleで購入した電子書籍はユーザーのものではない | スラッシュドット・ジャパン YROなんてこともある。単に電子書籍が良いとも言えない。

僕は音楽もデジタルは便利な面もあるが高いと思う。大体メディアとしてはCDに劣る。なにしろジャケットが持っている情報そのものがない。そして下手をすれば、輸入CDのほうが安いのだ。

総合すると、まだまだ、メディアの側には工夫の余地がある。まあ、コンテンツに価値がなければデジタルだろうが、紙だろうが何だろうがお話にならないことは間違いない。

[タブレット] Steveなら

Panasonic's 20-inch 4K Windows 8.1 Tablet Ships To US Users In January For $6000 - HotHardwareネタ。昨日、暦本さんと清水さんの推薦で、iTunes - 映画 - スティーブ・ジョブズ1995 ~失われたインタビュー~(字幕版)を見た。

インタビューを収録したマスターテープは紛失していたが、Jobsが亡くなった後、VHSテープが監督のガレージから偶然見つかり、修復・編集した映画。1時間ちょっと。Steve Jobsは適確に現実を捉え、何もかもわかっていて、未来を見通していた。1985年にアップルを離れて10年後、1995年のことだ。インターネットの黎明期に。このあと、SteveはNeXT社をアップルに売却して返り咲いた。その後、iTunes StoreとiPodを売り込めたのは、Napsterの存在のお蔭。無謀すぎる!スティーブ・ジョブズがiTunes Storeを立ち上げた話を参照。もちろん、iPhoneやiPadの基盤となったのだ。

6000ドル、4Kの20インチWindows8.1タブレットを見たら、こう言うはずだ。素晴らしいけど、みんなが買えないね。もっともWindows 8.1のことをどういうかは別問題だけど。

[タブレット] さて年末に出るけどね - Venue 8 Pro

朝、外気温は10℃を切った。北部は零下を示している地点が増えている。月と同じくらい明るい宵の明星は今日は雨空に隠された。デル、3万9980円のWindows 8.1タブレット「Venue 8 Pro」発売 - ITmedia エンタープライズネタ。

ここで、むずかしい問題が立ちはだかる。実際に役に立つか。便利であることは間違いない。Bay-Trail-Tコア、メインメモリ2GB、64GBのストレージ搭載で39,800円。プラス2,000円で、Office Home and Business。普通なら絶対買い。でも、テスクトップで既にWindows8.1は動いている。i7-3770は64bit、メインメモリ16GB。わざわざ、Windows8.1デスクトップを持ち歩くか。ZedやPerlやなんでも動くよ。それが理想だと思っていたけど、いざとなると疑問が湧いてくる。本当に必要か。

しかし、メチャクチャ安いことは間違いない。でも少し様子を見ようと冷静な自分がいる。まあ、iPadなどで大概のことはできるしね。生活の中でモバイルの比率が高くなれば別なんだが・・・もう身の回りは、既にタブレットだらけなのだ。PSP、iPod touch、iPad 2、Nexus 7、enchantMOON。

まずは手持ちの物を活かすことが重要。モノは大切に^^)/

更新: 2013-11-16T17:26:54+09:00

[TV] PSVITA tv + nasne + CHAN-TORU

なぜか、我が家で動き始めた。PSVITA tv + nasne。PS3のtorne用に増設した2台の録画用HDDがほぼ一杯になったことを引き金に、PS3初号機の騒音問題を回避するための処置。最終目的のBS/CS放送の録画も視野に入れて。

images/2013/11/image90507.pngPSVITA tv
images/2013/11/image124870.pngnasne

【レビュー】PS Vita TVの実力は? 圧巻の操作性と画質の物足りなさ - AV Watchで、良いも悪いも認識したうえで、コストパフォーマンスはよいと判断。Apple TVも二号機は720pだし、1080pはテレビの能力ではあるが、720pで画質的にそれほど不満はない。32インチだしね。

CHAN-TORUというリモートの仕組みがあって、PCやモバイルデバイスなどから外部ネットワーク経由でnasneの予約ができる。PS3のtorneからもnasneをコントロール可能だ。PSVITA tvからPS3 torneをコントロールできるようになれば最高なのだが。PSVITA tvから見えるのはnasneだけ。

別の部屋に設置したnasneをPSVITA tvからネットワーク経由で自在にコントロールできるのには感心した。有線LAN接続が前提だが操作性にまったく問題ない。

さすが技術のソニーだと思わせる製品だった。

次は、PS4だが・・・『プレイステーション4』北米で発売、発売後24時間で実売100万台を突破 | マイナビニュース。売れているみたいだね。予測は当たらない^^;)製品としてはこなれてきているはずだから、損はないだろうけど。PS4 torneなら使いではあるだろう。


[Xbox] Xbox OneとKinect

Xbox Oneを擬似体験できる12分のビデオをMicrosoftが発表, なかなか楽しめる | TechCrunch Japanネタ。

Xbox One to Launch on November 22, 2013 in 13 Marketsというアナウンスが出ているが、日本発売は未定なのかな。「Xbox One」“日本発売は2014年”と明言。実機デモンストレーション が国内初公開された“Xbox プレスラウンドテーブル”をリポート - 4Gamer.netによると、日本語の音声認識などローカライゼーションに時間が掛かるとのこと。

今回のビデオはかなりおもしろい。可能性を感じさせ、試してみたいと思わせるには十分。Kinectを活用したインターフェースが受け入れられるかどうか。

更新: 2013-11-10T09:35:38+09:00