[アニメ] 十夜一冊 第八百六十夜 ピクサー 早すぎた天才たちの大逆転劇

午後3時過ぎて、雨が止んで晴れてきたようなので、ゆめタウンまで運動も兼ね、Kindle Paperwhiteを眺めながら、歩いて出掛けた。Webを見るのにiPad 2も持って行きたかったが止めた。重いし、手に抱える必要があるので、Kindleを見ながら歩くのは無理。到着すると、Kindleはコートの内側のチャック付ポケットに入れることができた。何か、紀伊國屋を渉猟して、スタバでコーヒーを飲みながら読書の予定。

まずは雑誌コーナーで、現代思想のデリダ特集をしばらく立ち読み。東浩紀氏のインタビューがおもしろそうだったが・・・他に知っている人はいないし、学芸文庫コーナーに移動。最後はハヤカワのノンフィクションやSFのコーナーに回る。「PIXAR」の文字が目に入る。「The PIXAR Touch THE MAKING OF A COMPANY」、デイヴィッド・A・プライス著、櫻井祐子訳「ピクサー 早すぎた天才たちの大逆転劇」(社会・文化 ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2015年)。出たばかりだ。ピクサーの物語は、ジョブズの物語の中でいろいろと読んで知っているが、アニメーションのテクノロジーの話はほとんど出ていない。最近、「[映画] 大晦日の朝に「ベイマックス」の感想(2014-12-31)にも書いたように、ジョン・ラセターのディズニーでの活躍が放送されたが、是非、ピクサーのCGやアニメーションの技術の話が詳しく読めたらいいなあと思っていた。最初を読み始めると、「2 ガレージにて」が、ピクサーの歴史のはじまりだが、エド・キャットムルが主役として登場する。読むべき本を見つけた。さっさとスタバに行こう。残念ながら、レジの長い待ち行列に阻まれたが・・・

一階に降りて、カフェ・アメリカーノをグランデで注文し、大きな木の囲み机の座席について読み始めた。1974年ぐらいの話だ。キャットムル自身は絵が下手だった。40年前がスタート地点だったのだよ。その頃、コンピュータ・グラフィックスのキャンバスになるフレーム・バッファは8万ドルもしたそうだ。芸術家で博士論文が「自己増殖機械の数学」のアルヴィ・レイ・スミスとPARCのスーパーペイントのユーザーとして一緒になったデイヴィッド・ディフランチェスコがキャットムルに出会うのは44ページ付近だ。DECのPDP-11/45ミニコンとUNIX、C言語が登場する。懐かしいお話だね。

../images/2015/03/CIMG3168m.JPG「ピクサー 早すぎた天才たちの大逆転劇」

更新: 2015-03-01T23:10:08+09:00

[アニメ] The PIXAR Touchの次の世界

雑念を振り払うために散髪に出掛ける。今晩は久しぶりにWTMに参加しようと思っているし、明日はゲバントのピアノの発表会を聴きに行かなくてはならないしね。WTMはもう76回というから6年以上継続している。メーリングリストを調べると僕が最初に参加したのは10回目だ。2009年2月。計算がだいたい合うね。デイヴィッド・A・プライス著「ピクサー 早すぎた天才たちの大逆転劇」(早川書房、2015年)を最後の方は端折ってしまったが、一応読了。十夜一冊 第八百六十夜 ピクサー 早すぎた天才たちの大逆転劇 (03/01/2015)も参照。

ジョブズのピクサー買収から(4 .スティーブ・ジョブズ)、ピクサーの草創期の苦闘(5. ピクサー・インク)の後、ようやく「トイ・ストーリー」以降の長編アニメーション映画制作の歴史が語られる。ジョブズはピクサーをマイクロソフトに売却しようとしたが、最後のところでピクサーの重要性に本能的に気が付いて「うしろにとびすさった」、「こいつはとんでもないものになるぞ」と(236ページ)。

ファインディング・ニモ制作時に宮崎駿がラセターを訪問した時の話が4ページに渡って書かれている(353ページから)。ラセターに影響を与えた唯一の人間ということになっている。ベイマックスは確かにトトロに似ているかもしれない([映画] 大晦日の朝に「ベイマックス」の感想)。イオンシネマ広島ではベイマックスがまだ掛かっている。

エピローグの前、「11. 帰郷 - 『カーズ』、『レミーのおいしいレストラン』」の最後に、著者のプライスは次のように書いている。

・・・アニメーターの使うワークステーションのハードウェアとソフトウェアは、かつては大手スタジオや特殊効果制作会社が一手に握っていたが、今やよい中古車一台分の金額で手に入るようになった。ピクサーがウォルト・ディズニー・カンパニーの至宝として新しい道を歩み始めた時点で、いずれ新手のライバルたちとの衝突を避けて公開日を操作しなくてはならない日が来るのは、十分予想されたことだった。より正確に言えば、今後ピクサーは三〇年前の自分たちにそっくりのライバル、ガレージで夢を追いかける人たちの猛追を受けることになるだろう。

(424ページ)

テクノロジーそのものも大事だが、そのテクノロジーを使って何をするのかの方がより重要だ。もっともそれ以前にテクノロジーそのものを理解しなくてはならない。そして、それは実際使い方そのものにも関係してくるのだから、現実は複雑である。目的そのものがテクノロジーを要求するのである。そこがジョブズのいう交差点。

更新: 2015-03-15T08:48:00+09:00

[Apple] Apple Watchは何に依存するか

Apple - Apple Watch - ビデオネタ。

ビデオを三つとも見た。結局わかったことは、Apple WatchはiPhoneのGPSとWiFiを使うということ。

他に情報はない。3/9を待つしかないかな・・・これまでの話題も載せておくけどね。


[Apple] Apple Watchイベント前日 - ファッションとしてのApple

発表会直前! 世界が注目するApple Watch事前情報まとめ : ギズモード・ジャパンネタ。よいまとめになっているので紹介。

我が日記の「Apple Watch」記事もリストアップしておこう。

ギズモードの記事のリンクの中に、アップル、またもやバーバリーから大物引き抜き : ギズモード・ジャパンがあった。アップル・コンピュータからコンピュータをはずして以来、アップルが何になるのかということはまだ明確ではない。ただ、今のところ、コンピュータであることも間違いない。

BURBERRYのバーバリー - ウォッチを参考までに眺めておこう。さすがにデザインはすごいね。時計として買うなら、こちらを選ぶね。しかしながら、Apple Watchは時計のようでいて、時計ではない。コンピュータだ。コンピュータにデザインどころか、ファッションの要素までを結びつけようとするのは前代未聞の試みだ。時計は身に付けるものだからだろう。

イベント前日とはいっても、日本時間では、3/10の午前2時から。3/10の朝に確認ということになるだろう。

更新: 2015-03-08T15:14:03+09:00

[Apple] Appleスペシャルイベント - Apple Watchなど

今朝の温度は2℃、走るうちに1℃まで下がった。宮島口の手前で微かに雪が舞うと、しばらくすると雪になった。日中もかなりの雪だったが、積りはしなかった。帰宅時は雪は止み、出発時には外気温1℃、五日市の高架では0℃に。道路沿いの気温表示は-2℃。朝までよく寝たけど、アップル・イベントのことはすっかり忘れていた。車の中で思い出した。

帰宅して、Apple TVを起動すると、Apple Eventsのアイコンを探す。見始めると1時間ぐらいはすぐ経つ。最初はApple TVのHBOというコンテンツの話、そのあと、99ドルを69ドルに値下げ。これなら買いかな。円高ならもっと安くなるのに、残念。Apple TVが値下げし69ドルへ、映像配信サービス「HBO NOW」にも対応 | マイナビニュースを参照。

衝撃的だったのは、MacBookの薄さ。ティム・クックCEOが、開いたMacBookをステージに持ってきて、閉じた時の薄さに驚かされた。無線がacだけというのがルーターを選ぶんじゃないかと思うんだけど、懸念はそれぐらいかな。Apple - MacBook - 技術仕様には「802.11ac Wi-Fiワイヤレスネットワーク接続、IEEE 802.11a/b/g/nに対応」との記載がある。「802.11ac」だけではないということか。下位互換性はある。アップル、Mac史上最薄・最軽量の新しい「MacBook」 | マイナビニュースを参照。

Apple Watchは興味深いが、iPhoneとセットというのが難しいところ。iPhoneも高価だし、Apple Watchも高価。機能的には、生体センサー以外はiPhoneを上回るものではないし、重なってしまう。「高級時計」として長く使うのは難しい「Apple Watch」 - 私はこう見るApple発表会 (1) 機能としては一般的で目新しさがない | マイナビニュースApple Watch、こんなに先の見えないデバイスは初めてかも - 私はこう見るApple発表会 (1) 「先行きが見えないデバイス」という印象 | マイナビニュースなどを参照。あまり肯定的な評価がない。

まあ、実際に使ってみないと、その意味はわからない可能性も高い。アプリはてんこ盛りのようだが、さて、さて・・・

比較するのは何だが、Raspberry Pi 2 Model Bのボード&ケースセットは送料込みで、7,040円なんだね。デザインは比較すべくもないが・・・明日には着くかな。おもちゃとしてはこちらのほうが刺激的かも。

更新: 2015-03-14T09:02:21+09:00

[Apple] Apple Watchの意味 - スマホ社会バランス再調整説を超えて

昨日は、帰宅時15℃で出発、12℃まで下がったが、暖かくなった。今日も暖かそうだ。林信行が踏み込んで解説:「Apple Watch」であなたの生活はこう変わる (1/5) - ITmedia PC USERネタ。林信行氏は「ジョナサン・アイブ」の序文を書いているほどの親アップル派だ。

スマホをのぞき込んでばかりいる人間を再バランスさせるデバイスになるだろうという面白い説。時計の狭い画面では大したことはできないけど、取り敢えず必要なことを済ますことができるから、スマホを取り出すことが少なくなるというわけ。何だか、ネガティブな考え方でもあるような気がするけどね。ある意味、時計という小さな画面のデバイスの宿命を逆手に取ったわけだが。

デジタル時計のメーカーはApple Watchのようなものは作らなかった。もちろん、Apple Watchの本質はコンピュータだからだ。時計ではない。コンピュータ・メーカーにしか作り出せない。そして、無線通信や省エネルギー、バッテリー技術の進化がもたらしたものだ。

何ができるのかは、いよいよ詳細が明らかに:Apple Watchで何ができる? 林信行による事前チェック!! (1/4) - ITmedia PC USERで復習しておこう。結局、Apple WatchはiPhoneのインターフェースの拡張なのだ。ハードウェアとソフトウェアの拡張である。もちろん、ハードウェアとソフトウェアは一体だ。iPhoneの機能は大幅に拡張される。iPhoneの機能を時計からコントロールしたり、利用したりできるようになる。さらに「本体背面には2つの照明用LEDと、血流を見るための2つのセンサーカメラがついており、これで脈拍を検知している。」(林信行がAppleイベントで感じたこと:「Apple Watch」はアップル新時代の象徴 (1/2) - ITmedia PC USER)

もっと別の見方もできる。iOSの拡張でもある。iOSにはHomeKitやCarPlay、HealthKitがあるが、HealthKitに関連して、新たなResearchKitが発表された。医療研究機関を取り込んで、生体センサーデータを収集・解析・研究する仕組みだ。Open Sourceになるとのアナウンスだった。ソフトウェアは世界を覆い尽くすことだろう。

まず600万台が製造中とのことだが、7億台出荷されているiPhoneの1%にも満たない数だ。確実に売れるだろう。Apple Watchの成功はすでに約束されている ≪ WIRED.jpを参照。何台売れれば成功と言えるだろう。今やiPhoneは年間1億5千万台売れる。まずは10%、1500万台かな。Apple TVが累計2500万台、最近では60万台/月程度。

更新: 2015-03-14T14:53:08+09:00

[拡張現実] Magic Leap

謎だらけの企業「Magic Leap」が未来感たっぷりのデモ動画を公開 | マイナビニュースネタ。この程度のことをするのにどの程度の準備と装備が必要なのか大変興味深い。

世の中がコンピュータによって大きく変わりつつあるのは間違いない。それもいよいよ加速度が付いてきた。Magic Leapのデモ動画のようなインターフェースを簡単にプログラミングできるようになれば、仮想電子図書館のようなものも作れるようになり、購入した電子本を仮想的な書棚に保存し、取り出して読むというようなことも自在になるかもしれない。

[アート] 印象派の故郷 ノルマンディー展

春になった。先週の日曜日はまだ肌寒かった。今日は春分の日。多聞院のお墓参りから、ひろしま美術館に「ノルマンディー展」に向かう。多聞院には、この頃、小さな枝垂れた低木に、いつも桃の花が咲いている。今日は、木の根元には土筆が生えていることに気付いた。

../images/2015/03/CIMG3204m.JPG枝垂れ桃だと思うけど

../images/2015/03/CIMG3206m.JPG土筆、形態的当て字の典型、つくし

../images/2015/03/CIMG3210r1m.JPG特別展を見終わって、常設展示のドームに入る手前、リガ・ロイヤルを望む

../images/2015/03/CIMG3213m.JPG春のミュージアム・ショップ

実質的な入り口であり、受付がある。カフェ・ジャルダンが併設。

../images/2015/03/CIMG3214m.JPGひろしま美術館の広告版

../images/2015/03/CIMG3218r1m.JPGノルマンディー展の展示リストとチケット

ブーダンの一連の牛の絵は以前どこかで見た記憶もあるのだが、作られた記憶かもしれない。牛に見えるのだが、よく見ると写実的な筆致ではないところがおもしろい。奇妙な感じがする絵である。デュフィの絵がたくさん展示されていて、数えてみると12作品、見どころになっている。



(続く、明日の夜、何か付け加えるだろう・・・)

更新: 2015-03-25T22:33:29+09:00

[日記] 共鳴現象

今年の冬(12月から2月)は平均的には寒かったらしい。特に昨年の12月が寒かったから。気象庁の暖冬予想がはずれた結果に。

小説の書き方を考えていると、あらゆることがつながって共鳴を始めた。僕にとっては詩と小説の関係は大江健三郎に発するのだが、オクタヴィオ・パスの話では近代の論理的思考を断ち切るために小説が詩に近づいたという。あらゆることがつながったということを説明するのにはもう少し深く沈潜する必要がある。

上っ面を撫でているだけのたどたどしい思考をつなげて、具体的な思考に深めていきたいのだが、どれも手強い。

更新: 2015-03-03T22:05:23+09:00

[日記] 連環の日々

寒くなったり、暖かくなったり。三寒四温。春。今朝は、黒田が先発するカープ・ヤクルトのオープン戦の当日券があるという話で、9時前に平和橋北詰で一人を降ろし、取って返すように二号線に戻り、阿品台に向かった。9時半前にもう一人を降ろして、FUJI GRAND NATALIEに下りる。ラッキー、9時開店。もう平面駐車場はほぼ一杯だが、日曜日の朝、さすがになんとか止めることができた。

2階東側奥のTSUTAYAは改装していて、他のTSUTAYA店舗と同じようなモダンなデザインに生まれ変わっていた。ブルーバックスの金丸隆志著「Raspberry Piで学ぶ電子工作」(講談社、2014年)と佐藤優著「世界史の極意」(NHK出版新書、2015年)を購入。増え続ける読んでいない本。でもなぜ読んでみようと思ったのか、つながりは時折意識に浮上しては沈んでいく。そのうち書き留めておかないと忘れ去られるだろう。

../images/2015/03/CIMG3175m.JPG「Raspberry Piで学ぶ電子工作」と「世界史の極意」

ナタリーの駐車場の車に戻ると、座席を後ろに倒して、窓を半開きにして外気を取り込みながら、時間待ちのために持ってきた「ピクサー」を読んだ。

ディズニーを首になっていたジョン・ラセターと再会したキャットムルがたまたま電話を掛けたアルヴィ・レイ・スミスに「すぐ雇え」と迫られる感動的な場面を過ぎたところ(82ページ)。最終的には、ラセターはコンピュータの可能性を理解したディズニーの正統な伝統を継承したプロのアニメーターということになるわけだ。アニメーターはコンピューターを毛嫌いするのが普通だが、ラセターだけはみずから、キャットムルらに近づいて親しくなっていた。ラセターは、最初はプロのアニメーターとして登場するだけで、名前を明かさずにストーリーが組み立てられている。次の場面で、なるほど、ラセターだったのか、よかったねと感動することになる。

帰宅すると、昼から、黒田の素晴らしい4回1/3の投球で調子にようやく乗れた感じで、1-0、カープのオープン戦初めての勝利を見た。そのあと、めずらしい二歩の反則負けなど、取りためたテレビの録画を見ている。

「村上海賊の娘」の和田竜が杏と達人達で話し合っている。資料集めに1年、シナリオ作りに1年、小説化に2年半を掛けたそうだ。小説にする前に一旦シナリオ化して、物語の内容や構造の問題点を洗い出す。それによって、小説が濃密で無駄のないものになる。やはり、手間が掛かっている。いや、読んでみようかな。杏という人も相当すごい才能を持っているし、チャレンジャー、努力家。脚本を自分で書き写して、自分用に作り直している。最初の仕事からずーっとそうしているらしい。才能と努力だねえ。

更新: 2015-03-09T22:46:04+09:00

[日記] コードと物

昨晩は、WTM(Web Touch Meeting)第76回を聴かせてもらった。一つは、Photoshopのアクションの活用についての話、次にグラフィック・デザイナーの発想方法について、最後に、コンテンツ・マーケティング。

../images/2015/03/CIMG3188r1s.JPGWTM76 on enchantMOON

画面の白い雪のようなものは、ピクシーダストで、ここにリンクがありますよ、タッチしてくださいという合図なのだ。セッションごとに最初のメモのページへのリンクが張り、さらに順次、次のメモページにリンクを張っていく。

enchantMOONのフロント・カメラでは、明るいスクリーンと比較して暗い講演者の顔はうまく写らない。その他、メモを書く時間が長くなると、Columbiaが落ちてしまい、再起動しないと入力できなくなり、再起動してはメモの内容が消えてしまうのにはまいった。Issue 22 - enchantmoon - 頻繁にColumbiaが落ち、それまで書いていたデータが失われる - enchantMOON - Issue Tracker - Google Project Hostingの問題が残っていると思う。enchantMOONのバージョンは「ver.3.0.1 r5352 15GB」と表示される。

それはともかく、enchantMOONは手書きのメモをその場でメモページ間でハイパーリンク化しつつ、構造化メモを生成できる。手書き文字列は手書き文字認識機能で検索可能である。ページリンクに使われるキーワード文字列内の文字列は検索に引っ掛からないとか、スピードの問題はあるが。


Photoshopのアクションについては、Photoshopは使っていないので、GIMPならScript-Fuに相当する機能になるのだろうなあと思いながら聴いていた。僕がGIMPを使っている、画像の回転・縮小程度の繰り返し作業は、ImageMagick/Perlで簡単に自動化できるけど、毎日の日記の更新程度の作業では一品料理で十分なので、個人的には自動化は必要性が低い。いずれにせよ、Script-Fuは一度も使ったことがないが、調べてみる切っ掛けになった。言語的には、SchemeがScriptとして標準にインストールされていて、Python、Perl、Tclが使える。Rubyにも試験的な実装があるらしい。

昨年は、enchantMOONのCANVASを調べている過程で、ベクター・グラフィックスのInkScapeにも触り出したので、合わせて、もっとコンピュータ・グラフィックス・ツールの現状を調べてもよいかもしれない。ピクサーを追い掛けろかな^^;

グラフィックス・デザイナーの表現方法は、発想方法について話されたので、大変興味深く、頭の中がかき混ぜられた感じがした。DM、FLYER、SHOP CARDなど徹底して収集し、良し悪しを分類していくと、デザインを作った人の考え方が次第にわかってくるらしい。言葉からの連想は徹底して繰り返す。顧客にも受け入れてもらうアイデアを生み出すためには手を抜けないそうだ。アイデアは簡単には生み出せない。コンピュータを前提としていないところもデザイナーらしい。フォントを考えるのに手作りでデザインの可能性を考えるところも新鮮だった。フォントを造るのに、紐や針金、最終的には毛糸を使った。モノに近いフォント。

インダストリアル・デザインの場合は具体的な模型を作り出す。ジョナサン・アイブも徹底して大量の模型を作ることで有名だ・・・中味まで作ってあり、製造方法まで踏み込んで考える。Apple Watchのスペシャルイベントでは、部品の表面加工のビデオが流れた。デザイナーはエンジニアリングまで考える。「ジョナサン・アイブ」の「9 製造・素材・そのほかのこと」という章に詳しく書かれている。

自分の仕事に適用するとすればどうなるだろうと考えた。僕の情報収集は、リンクを辿って、枝葉を広げながら、深く掘り下げていくことに尽きるのだけど、言葉からの連想を徹底するという発想はないなあと思った。どちらかというと類推が基盤にある。アブダクション。

最後のコンテンツ・マーケティングはいわゆるSEO(Search Engine Optimization)の最新の考え方の話。最近のGoogleのページランクのアルゴリズムはリンク数よりもコンテンツ重視に変化しているのだそうだ。僕が思うのは、検索内容(意味)に応じた検索結果になるという当然の方向性にシフトしているということだ。そうでないと無意味な結果を示しかねないからだ。ただ、アルゴリズムよりもデータの蓄積自体が検索結果を変化させている可能性もあると思う。データの蓄積には、検索においてAND検索で意味の広がりを絞り込めば、リンク数が反映されにくくなるのと同じ作用があると思う。

我が日記もアクセス数を重視するなら、表示の構造を変えるべきという結論になる。記事単位の表示にすればページ・アクセスは増える方向だ。わかっちゃいるけど、今のところ月単位のまま。様々な内容のごった煮では意味が捉えられにくい。何度も思ってはきているのだが。元々、我がサイトはアクセス数を増やすことを目的に作っているわけではないが、検索結果がアンカー単位ではないので、検索結果の該当記事の位置にリンクされないのが、大きな問題だとずーっと思ってきた。背中を押されたので、そろそろ変えるかな。前にもどこかでそんなことを言った記憶がある・・・

我がサイトにおいては、アクセス数よりも、コード、すなわちプログラムで世界、物事、事物をいかに表現するかが、本質的な課題である。それを追求しているとも言える。コンテンツによって、そして、もっと積極的な言い方をすれば、表現したいものによって、表現方法は変わるはずだ。今は現実に流れさている。単純な構造の記事を繰り返している。このままでは足りない。新しい表現方法を追求するようなコンテンツを作り出さなくてはならないのだ。

現在のWebなら、コードはHTML5/CSS3/JavaScriptというのが流れである。さて、そこに留まってはおもしろくない。今年は、Perl 6がやってくる。そこらへんを目指していろいろと考えていこう。

更新: 2015-03-16T20:06:50+09:00

[日記] 時は過ぎゆく

浄土真宗法話のツイートに「いつの日か いつの日にかと 一生が過ぎゆく」が流れたので、リツイートした。一生はともかく、三月は過ぎ行こうとしている。高校のクラス会にいつの日にか初めて参加する人もいる。あれこれと来月は忙しそうだ。

Raspberry Pi 2は温度センサーの出力がうまくでてこない。Rubyのスクリプトはループに入ったままだ。Configrationは調整できたはず。起動時に大量に流れる文字列と睨めっこしていても、ハードウェア絡みのエラーはなくなったようなので、そろそろ動いてもよさそうだが、ADコンバータかアナログ温度センサーのいずれかがおかしいのかもしれない。ただ、こういうことは予想が外れることが多いものだ。忍耐強くチェックしていくしかない。

../images/2015/03/CIMG3346m.JPG温度センサーとADコンバータのあるブレッドボード

何かチェックすべきことがあればお教えください。



更新: 2015-04-01T21:23:10+09:00

[電子書籍] 十夜一冊 第八百五十夜 人生の鍛錬 小林秀雄の言葉 - 何処へ向かうか

先の記事、[本] 十夜一冊 第八百四十夜 オクタビオ・パス「弓と竪琴」(2015-02-15)で、「何もわかっていないことに気が付いた」と書いて、既に何度かそう書いたことがあると思って確認した。同じことばかりいっても恥ずかしいからね。[中沢新一] 十夜一冊 第三百八十夜 フィロソフィア・ヤポニカ(2012-08-26)にあった。こういう認識に到達させた書物は新たな出発点として貴重である。[哲学] 十夜一冊 第三百九十夜 種の論理(2012-08-29)が書かれたのは1963年、「言葉と物」(1966)以前である。

西欧社会成立の解釈についての理解はともかく、頭の中で様々に響き合っている言葉がある。世界の把握に関わる文字、言語、古典(古書)、詩と散文(小説)、翻訳の作用についてである。

それを小林秀雄の言葉を通じて、もう少し考えてみるのがよさそうだと感じている。十夜一冊、第八百五十夜は新潮社編、「人生の鍛錬 小林秀雄の言葉」(2007年)の電子書籍(2011年)、Kindle版を取り上げた。小林秀雄全作品の引用からなっている。全作品の第1集から第28集を2集ずつ、「小林秀雄の歳月1~14」として14章に分けて、時系列に編まれている。最後の14集は本居宣長である。そのまま読んでいってもおもしろいし、電子的なインデックスとして使うのに便利な可能性がある。もちろん、Kindle版ではハイライトやしおりなどを付けることもできるし、メモを書くこともできるから、独自のインデックスさえ、構築できる可能性がある。

ここまで来ると、「言葉と物」シリーズは中断して、必要な場合に戻って参照することになるだろう。

979夜『対称性人類学』中沢新一|松岡正剛の千夜千冊を再度読んで、もう一度、フィロソフィア・ヤポニカから田辺元を辿るに至り、そう考えたのだ。オクタビオ・パスの「弓と竪琴」の初版は1956年に出版されている。

更新: 2015-03-01T11:25:06+09:00

[電子書籍] 文藝春秋 - ソニーリーダーストアにて

朝6℃、帰宅時に16℃と一日の気温の較差が大きい。マイクロソフトが、Windows 10への無償アップグレードを打ち出し、Office/Windows生態圏の拡充を推し進めている。Surface Pro 3を出しながらも、AndoridやiOSにさえ、Officeを無償で提供した。WordやPowerPointにはアプリ内課金があるようだが。いずれにせよ、アップルやグーグルとマイクロソフトは次第に類似したビジネス・モデルに近づいているように見える。たまたま、ソニーからのメールを見ていて、電子図書券1000円が送られてきているのに気付いた。最近、自社のReaderからiOSやAndroidなどにもリーダーストアが対応するという話を読んでいたので、覗いてみた。

結局、文藝春秋が電子書籍化されているのに興味があったので、3,4月号を購入してみた。リーダーストアは、少し操作に途惑うことはあるにしても、AmazonのKindle Storeとほぼ同じレベルに達していた。PCのブラウザですぐ読めるし(MacはChromeを使う必要があるだろうけど)、専用機というかタブレットやスマホなどのPC以外のiOS/Androidデバイスでも読める。

ソニーはどう変化していくのだろう。既にPlayStation NetworkをSony Entertainment Networkに統合したのだが、My Sony ClubやReader Storeの統合はまだ半ばのようだ。PlayStation4を購入するタイミングが出てくるだろうか・・・PS3の下取りはあるなあ・・・でもtorne/PS3が使えなくなる。今のところ、torne/PS Vita TV + nasne + BRAVIAだが、少なくとも2TBのハードディスクがTV録画で満杯になる前に何か考える必要がある。

ソニーはWalkman、PS、Xperiaをメディア・デバイスとして統合していくプロセスにあるようにも見えるが、SmartEyeglass Developer Edition SED-E1 - Developer Worldのような先端のものも動いてはいる。

ソニーが電子書籍というメディアを事業に取り込むのは歓迎だ。ソニーについてはまた別の記事で書こう。

文藝春秋に戻ろうと思うが、もう今日は遅いね。記事はいろいろとバラエティに富んでいる。イスラム国の話を取り上げているものが多い。またの機会にしておこうか・・・

更新: 2015-03-29T23:05:40+09:00

[Google] Google Glassの使い道

終わってなんかいなかった! グーグルグラス市販化に向けて邁進中 : ギズモード・ジャパン「Google Glass、長い目で見てやって」幹部が必死の弁明 - iPhone Maniaネタ。グーグル・グラスからの撤退説はどう見ても不自然な話だなあと思っていたが。納得。

拡張現実をこのタイプのデバイスで実現できればスマートと思っていた。さて、どうなる。

[iPad] Printer Proは驚異的なアプリ

プリンターを持ってなくてもPrinterProがiPadにあるとお得な理由 - W&R : Jazzと読書の日々ネタ。

これは凄い。本格的なアプリだ。今週は無料セール中ということらしい。是非ゲットすべし。

PDFを作れるというのも便利だけど、AirPrint対応のプリンタでなくても、無線LAN対応プリンタならiPadから印刷できる。これは素晴らしいね。PC上にPrinter Pro Desktopというプリンタ・サーバーのアプリがあるので、無線LAN対応でないプリンタもPC経由で使えるという優れもの。

更新: 2015-03-03T20:52:31+09:00

[iPad] Printer Pro - MarkdownをHTMLに変換して印刷

続けて、Textwellで書いたMarkdownをPrinterProで印刷するアクション - W&R : Jazzと読書の日々ネタ。

文章作成やメモ書きにも便利、Markdown記法|Web Design KOJIKA17で、少しMarkdownをお勉強して、試した。

../images/2015/03/CIMG3169m.JPGTextWellからPrinter Proで印刷

iPadのTextWellを使ってMarkdown記法で書き、Openin(MD)アクションでHTML変換してPrinter ProからEP-803Aで直接印刷。エプソンのEP-803AはAirPrint対応機ではない。



../images/2015/03/CIMG3173r1m.JPGAudenの1929年

筑摩世界文学大系71のオーデンの「1929年」の最初の部分と原文の該当部分、大江健三郎「私という小説家の作り方 四章 詩人たちに導かれて」の文庫本65ページから対応部分の訳。

世界文学大系の訳は直訳に近い。大江の訳は、英文の詳細を無視しているし、訳も区切り方も自在に違う。ただ、あーっ、そういう意味なのかなと思わせる・・・日本語の流れが自然で、詩的だ。素晴らしい。



更新: 2015-03-07T01:13:15+09:00

[Linux] Raspberry Pi2 初起動

退社時の気温15℃、しばらく走ると13℃。昨日はまだ肌寒かったが、今日は県内各地、最高気温が20℃を超えたらしい。帰りは、コートの袖に手を通さなかった。さて、Raspberry Pi2のスターターキットが昨日届いたので、起動してみよう。

スターターキットはRaspbianプリインストール済みのmicroSDカード(16GB Class 10)、Raspberry Pi用電源セット(5V2A)、HDMIケーブル、リトラクタブルLANケーブルからなっている。昨日のうちに、クリアケースからRaspberry Pi2基板を慎重に取り外して、microSDカードのコネクタを調べた。クリアケースを付けたままでは、microSDカードがセットしにくいように思えたからだが、取り付けたままでも問題なくセットできることがわかった。microSDカードはセット済み。

HDMIケーブルとミニUSBの電源コードとコンセント、リトラクタブルのLANケーブルをつなぐ。起動してから、キーボードとマウスをつないでいないことに気が付いた。USBで起動後につないでも正常に動作した。HDMIケーブルをBRAVIAにつないでいる。

../images/2015/03/CIMG3195m.JPGケーブルを接続して起動状態のRaspberry Pi2

../images/2015/03/CIMG3196m.JPGraspi-configの設定後、再起動した状態

../images/2015/03/CIMG3198m.JPGXを起動し、メニューを開く

PS2 LinuxやPS3 Linuxも含めて、何度もLinuxをインストールしたことはあるが、持続して使ったことはない。メインのPCはWindows一台あれば十分だからだ。しかしながら、IoTの時代はもっとPCが必要だろう。とにかく安価なPCが必要だ。そのための探索実験。単なるPCとしてでなく、何かのセンサーをつないだサーバーとして常時動かしてみたい。

[Linux] Raspberry Pi 2 - LEDの点滅をGPIOで制御

ようやく落ち着いて作業する時間が取れた。breadboardを使うのもGPIOを使うのも初めてで勝手がわからない。最初は、すぐにWebにあったRubyの温度測定ロガーのサンプルを動かそうとして、いろいろとトライ・アンド・エラーを繰り返してしまった。ブレッドボードを接続状態で、Raspberry Piを起動しようとして、エラーが出続け、起動状態が延々と続く状態にはまり込んだ。電源を引き抜いて強制終了させたが、壊れなかったのは幸運だったかもしれない。

結局、金丸隆志著「Raspberry Piで学ぶ電子工作 超小型コンピュータで電子回路を制御する」(講談社、2014年)が大変役に立った。最初のRaspberry Piの起動設定などもガイドとして持っていた方が安心なので、お勧めだ。

何ごとも急がば回れ、基礎の理解や準備が重要だということだ。Raspberry Piを起動したままで、GPIOのピンにブレッドボードからのワイヤをつないだり、はずしたりしてよいことなど、常識を知ることが早道。

Raspberry PiとPi2などの互換性については、Raspberry Pi メモ (42) Raspberry Pi2 の非互換性のページが詳しい。GPIOピンヘッダのピン番号、GPIO番号との対応なども表に示されている。前掲書はGPIOは26ピンの場合のみを取り扱っている。Raspberry Pi 2のGPIOは40ピンあるが、26ピンだけを使う場合は互換性はあると言ってよいようだ。

../images/2015/03/CIMG3335m.JPGLEDの点灯

単にGPIOの3.3VピンとGNDピンにLEDをつないで点灯させただけ。抵抗は270Ωを使用している。



../images/2015/03/CIMG3336m.JPGLEDの点滅をPythonで制御

PythonのIDLEを起動すれば、その場でプログラムを入力して、走らせることができる。PythonのGPIOのライブラリは強力だ。



../images/2015/03/CIMG3338m.JPGLEDの点滅をGPIOで制御

「Raspberry Piで学ぶ電子工作」の3章と4章を実行したことになる。ブレッドボードやGPIO、LED、抵抗、ジャンパーワイヤなど様々なことが基礎的に学べる。3.3VピンにつないでいたワイヤをGPIO 25のピンにつなぎかえている。


最初、試していたRaspberry Piで温度センサー、部屋の気温を取得しよう - Raspberry Pi 電子工作の他にも、温度ロガーのサンプルは、夏休みスペシャル2014 - PCボード「ラズパイ」で部屋の温度を記録しよう:ITproにもある。こちらは、デジタル出力の温度センサーTMP102を使うので、SPI(Serial Peripheral Interface)バスではなくI2C(Inter-Integrated Circuit)バスを取り扱うことになる。データの処理にはPerlのCGIを使っている。

更新: 2015-03-29T22:30:06+09:00

[機械学習] ディープ・ラーニングとGPU

GTC 2015 - 「ディープラーニング」にGPUの未来を賭けるNVIDIA (1) ディープラーニング一色に染まったCEO基調講演 | マイナビニュースGTC 2015 - Googleが「ディープラーニング」に対する取り組みを紹介 | マイナビニュースネタ。GTCは「GPU Technology Conference」の略。GPU Technology Conference | GPU Technology Conferenceを参照。PIXARの講演もある。

CES 2015 - NVIDIA「Tegra X1」の正体、規格外の高性能は次世代運転支援への布石 | マイナビニュースCES 2015 - NVIDIAが次期モバイルSoC「Tegra X1」発表、256コアMaxwell統合の超強力SoC | マイナビニュースの記事にある「Tegra X1」が、言わば「指先のテラフロップス」であり、最早信じられないようなコンピューティング世界が現出する先駆けの象徴であろう。用途は車載をターゲットにしている。人工知能のための哲学 4 - 意味とパターン (2015/02/07)の記事で取り上げた『Nvidiaの車載スーパーコンピュータ「Drive PX」がサポートしているUC Berkeleyが開発したDeep Learning開発フレームワーク「Caffe」』に関係しているのだろう。リンクした記事の2ページ目、(2/7)宮本和明のシリコンバレー最新先端技術報告 - Deep Learningを実装した自動運転技術、Nvidiaが開発しAudiなどに提供:ITproに「Tegra X1」を二基搭載している「Nvidia Drive PX」の画像が掲載されている。

モバイルでは、先の記事の比較表にある「GTC 2014」で発表された「Tegra K1」が使われ、Tegra K1搭載:ゲーマー向け“最強”8型タブレット「SHIELDタブレット」日本上陸 - ITmedia PC USERTegra K1がモバイルゲームでありがたい理由 (1/2) - ITmedia Mobileに詳細がある。これは既に実際に手に取ることができる。タブレットとして、4万円程度の費用を要するだけだ。

車載やモバイルに対して、ワークステーション・レベルがどうなっているかというと、NVIDIA、GM200ベースの「Quadro M6000」を発表 ~LowProfileのQuadro K1200も発表 - PC Watchのような情報がある。このクラスになると、単体で7TFlops/250Wの最大消費電力比性能であり、メモリも12GBが必要だが、Quadro VCAというワークステーションでは、それをビデオカードとして8枚を使う。システムメモリを256GB、2TのSSDを搭載する。価格も5万ドルだ。良い中古車1台分よりは高い。

おそらく、GPUの高速性は並列性に支えられていて、並列コンピューティングがプログラミングにおいても重要になるはずだ。「Perl 6」もそのような世界にマッチするべく登場したプログラミング言語であるはずだが、さて、そんなところから理解していく必要があるかもしれない。他にはMacrosを持っていることも重要な要素ではあるのだが・・・

更新: 2015-03-21T11:49:03+09:00

[PC] 超小型PC - Raspberry Pi 2 Model B

疲れた。課題が昨日一つ、今日三つも増えた。他の課題もなかなか解決できない。7年越しの課題もある。ケ・セラ・セラで進むしかない。もう悩まないぞと思う。身が持たない。一つ大きなのがクリアになったのが支え。今朝は6℃、走っていると5℃。帰宅時は11℃、走り出すと9℃。暖かくなってきた。帰宅すると、Raspberry Pi 2が届いていた。

まあ、これだけでは動かすことはできない。えーっと、後、何がいるかな。「Raspberry Piスターターパック (Pi2 用Standard)」と「ハック ラズベリーパイ Raspberry Pi 電子工作入門キット」を追加注文。必要なものは既に準備されている。先人の苦労に感謝。6,260円追加出費。

../images/2015/03/CIMG3179m.JPGRaspberry Pi2 Model Bボード&ケースキット(Standard, Clear)を取り出す

../images/2015/03/CIMG3177m.JPGRaspberry Pi2 Model Bボード&ケースキット

../images/2015/03/CIMG3184r1m.JPGRaspberry Pi2 Model Bボード&ケースキットの大きさ

ブルーバックスの1/4より少し大きいかな



[思想] 現代思想の使命

今朝も帰りも出発時の車の外気温表示は9℃、走り出してしばらくすると7℃に下がった。肌寒い。明日はかなり寒いらしい。新潮のツイッターで見かけた4月号を調べた。立ち読み|新潮|新潮社、『【特別鼎談】「現代思想の使命」浅田 彰+中沢新一+東 浩紀』ネタ。

・・・今世紀に入ってこのかた、国内的にも国際的にも、「思想」「批評」といった言葉で呼ばれる人文知は急速に劣勢になり、そういうものには意味がないんだ、世界はエンジニアリングとキャピタリズムでいけるんだという流れが強くなってきているように感じます。浅田さんと中沢さんがそのような状況をどうご覧になっているか、そのうえで今後思想や批評にどのような価値を見いだせるのか、ということをざっくばらんにお話いただこう、というのが今日のこの鼎談の趣旨です。

とはいえ、一九七一年生まれの「遅れてきたニューアカ読者」のぼくとしては、浅田さん、中沢さんという二人の「スター」を自分の店(ゲンロンカフェ)に迎えてこのように司会できるということそのものが、無上の幸せでなりません。観客のみなさんには申しわけないのですが、お二人が楽屋で顔を合わせてからここまで十五分間で、ぼくとしてはすでにほとんどの幸せを味わってしまい、早くも抜け殻のようになっています(笑)。とにかく猛烈なスピードで知的な雑談が交わされていまして、そうか、かつて人間はこんなに多種多様な話をすることができる生物だったのだなと……。それに比べて、ぼくおよびぼく以下の世代の「批評家」たちの教養や知性の劣化は否定しがたい。今日は、もし余裕があれば、そんな状況をどうご覧になっているかも伺えたらと思います。

(「新潮」2015年4月号、『【特別鼎談】「現代思想の使命」浅田 彰+中沢新一+東 浩紀』の最初の東氏の導入部)

ようやく、これこそ読みたい内容の対談が出た感じがする。さすが「新潮」だ。評論・小説などの文学だけでなく、思想も飲み込む。注文しよう。

昨日購入した佐藤優著「世界史の極意」(2015年)も、現代の混沌を読み解く示唆を求めての一冊だ。「歴史は悲劇を繰り返すのか?」、「多極化する世界を読み解く極意」、「民族問題を読み解く極意」、「宗教紛争を読み解く極意」が各章のタイトルである。「現代思想の使命」と対比させて読むとおもしろいだろう。

「Raspberry Piで学ぶ電子工作」はエンジニアリングに属する。「Raspberry Pi 2 Model B」にも注文を出した。ハードウェアの性能が一応実用的なレベルに達したと判断したからだ。名刺よりも一回り大きいサイズのコンピュータが実用的なものになりつつあるとは驚きである。

スティーヴ・ジョブズはリベラルアーツとテクノロジーの交差点でイノベーションが生まれると言ったのではなかったかな。その基盤にあるのはキャピタリズムであるのかもしれないが。単なるエンジニアリングでは足りない感じがする・・・

[思想] 鼎談 現代思想の使命

新潮4月号が届いて、ようやく目的の特別鼎談「現代思想の使命」を読み終えた。91-125ページの二段組み35ページに及ぶ大鼎談で、歴史に残るだろう。浅田彰+中沢新一+東浩紀。ピケティの「21世紀の資本」の再分配論については否定的。資本主義の先を考える場合に贈与原理を取り込む必要がある。

../images/2015/03/CIMG3201r1m.JPG新潮2015年4月号

浅田 いや、贈与のネットワークを再活性化することで、交換や再分配の裏側にあったバランスを回復しよう、という議論は、他でもいろいろなところでなされているわけですよね。それは美しいヴィジョンだし、具体的な場面で現実性をもっていたりもするんだけれど、レヴィ=ストロース的に言って、小規模な「冷たい社会」ならうまくいっても、グローバルな「熱い社会」が成立してしまった以上、それだけですむのかという話になっちゃうわけですよ。

・・・

中沢 「贈与」の問題は、交換と贈与みたいなレベルだけではとらえることができないと僕は思っています。今の資本主義を動かしているのは何かといったら石炭と石油じゃないですか。石炭と石油がないと資本主義は動かない。では、石炭や石油がどうやって地球上にもたらされたかというと、太陽の「純粋贈与」というものが数億年かけて蓄積された結果です。つまり、資本主義のベース全体に「純粋贈与」がセットされているにもかかわらず、この贈与性というのは完全に無視されている。しかし、いずれこの贈与物は尽きてくるわけじゃないですか。その時にどうするか、というのが石油の問題やシェールガスの問題であり、あるいはこれから水素燃料の問題として浮上してくる。

・・・

中沢 だから、交換と贈与には我々が現象で認識するよりももっと深いところに、贈与原理というのが存在していて、資本主義の先を考えていた時に、その贈与の問題を取り込まなきゃいけないというのがバタイユが考えていたことだし、僕がいま考えていることもそういうことなんです。

浅田 「緑の資本論」はその先駆ですね。しかも、バタイユは贈与論でそういう根源的な問題を考えると同時に、さっきケインズに関して言ったマーシャル・プランのような具体的な問題も考えていたことを忘れるべきでないでしょう。

中沢 それは宗教の発生とも関わっていて、「純粋贈与」の理路を宗教とするか科学とするかの大きな分かれ目が来ています。

(112-113ページ)

もっといろいろと付箋は張ったのだが、引用はこれくらいにしておこう。バタイユがこういう位置づけになるとは思ってもみなかったし、中沢新一著「緑の資本論」も積読状態を解除すべきということになってきた。全般的に刺激的な鼎談だった。東浩紀に浅田彰がタジタジという場面も多くて、なかなかやるじゃないと思った。

東浩紀は「動物化するポストモダン」で注目して以降、いろいろと読んできたけど、今一つな感じがしていたし、最近の発言を聞きながら、勢いを失っていると思っていたが、ゲンロンカフェで復活したようだ。この鼎談もゲンロンカフェの対談を収録したもの。

鼎談の他の大きな主題は、宗教、オウムとテロ、シャルリー・エブドの襲撃事件など、そして、美・崇高・不気味なものであることも申し添えておこう。1980-1990年代の歴史をどう読むべきかの示唆も多い。マオイスムや18-19世紀の話も興味深い。現代から過去への透視図が得られた感じがした。必読だと思う。

更新: 2015-03-18T22:48:54+09:00