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日記: Text World | 脳髄の日記 | 第四の日記 | jscripter's Twitter | Facebook | Myspace(記事抄録や関連メモ: コメントはこちらにどうぞ)

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2/28/2018 (Wed.)

2月も終わり。時代は変わる。少し前までは、スティーブ・ジョブズを見ていればよかったのだが・・・今は混沌としている。その先端にいるのが、Googleであることは間違いない。一方、リアルな世界にはAmazonがいるのかもしれないが。

さて、近頃、いろいろな製品のデザインを見ているとどれもこれも素晴らしい物のように見える。最早、差別化は難しい。結局、そこで動くソフトウェアとネットワークが差異化する。付随するリアルな物と。

日本経済新聞、2018年2月28日(水)

日本経済新聞、2018年2月28日(水)

スマホも5年ぐらいたてば中国の時代になるらしい。


ニッチな世界も知らぬ間に便利になっていて、たいていデスクトップで探して工夫すれば間に合う感じ。自分でシャカリキになって作る必要もない。糊は必要だけど。

更新: 2018-02-28T23:04:50+09:00
2/26/2018 (Mon.)

[1802.07740] Machine Theory of MindをTwitterで知った。

心の理論(ToM: Premack & Woodruff, 1978)は、欲望、信念、意図を含む他者の精神状態を表現する人間の能力に広く帰せられる。我々はそのようなモデルをも構築するように機械を訓練することを提案する。我々は心の理論ニューラルネットワーク - ToMnet - を設計する。・・・

Google DeepMindはどこまで進んでいくのだろうか。我がサイトもそれを考慮してか心を取り扱うように変貌しつつある。

2/25/2018 (Sun.)

Rebuild.fmのエピソード201と202は女性ゲスト。エピソード202のゲストyukaさんがBackspace.fmをしているという話題から、最新のエピソードを聴いてみた。最近、Game of Thronesを見始めたのは、Rebuild.fmで知ったからだと思うが、Backspace.fmでも話題になっていた。「王座のゲーム」は、人間とは何かを深く考えさせるダイナミックで見事な群像劇。ゲーム・オブ・スローンズ - Wikipediaによれば、中世ヨーロッパ風の世界を舞台としたファンタジー小説「氷と炎の歌」(Wikipedia)が原作。

昨日、W氏主催の哲学茶会Vol.4は、マーティン・コーエン著「哲学101問」の問題35「ギュゲスの指輪」を取り上げた。ギュゲースの指輪 - Wikipediaのように人間の本性とは何か、倫理を廻っての話題で盛り上がった。

E先生の参加のお蔭で哲学がどういう方向に進んでいるのか、わかってきた。哲学も科学の影響を受けている。ニーチェやヒュームなども科学の影響を受けているのだそうだ。ヒュームについてはまだよく知らないが、少なくともニーチェのどこが、科学の影響を受けているのか知りたいと思った。E先生から紹介されたのが、戸田山和久著「哲学入門」(ちくま新書、2014年)。実は積読で持っている。調べてみると、確かに科学が題材になっている。なるほど、これからスタートすればよいのかもしれない。ヒュームは帰納法に関して、哲学のほうから科学に影響を与えているそうだ。デイヴィッド・ヒューム - Wikipediaを参照。哲学的に科学を捉えると理解が深まるか。試してみるかな。

E先生には最後に、参考書となっていたプラトンの「国家」をどう捉えるとよいのかも解説していただいた。あっ、そういうことなのかと納得・・・国家 (対話篇) - Wikipedia799夜『国家』プラトン|松岡正剛の千夜千冊なども読んでみたが・・・最終的な国家の理想形態。

とりわけ『国家』第5巻に至ったとき、プラトンの滾(たぎ)る思いが逆巻いた。それはアカデミアに住して初めて可能となったことである。

それが「哲人王」と「哲人の統治」という構想だ。これは、その後に誰が提案するどんな構想よりも理想に走っていた。

(799夜『国家』プラトン|松岡正剛の千夜千冊)

哲学茶会ではスピリチュアルもよく話題になるのだが、「日曜哲学クラブ」のイザベルの家政婦グレースは「毎月第一水曜日に、クイーンズフェリー・プレイスの向うの通りで開かれるスピリチュアリストの集まりに出掛ける」(287ページ)。この話題は4ページに渡って展開される。このようにゆったりと物語は進んでいく。単なる謎解きというよりは、主人公の日常生活の描写から、人間の営みを観察し、人間とは何かを考えるというスタイルが基本にある。それを愉しまなくてはおもしろくない小説である。最後、例によって端折ってしまったのだが、もう一度最後の50ページぐらいを読み直した。読了。

哲学茶会の「哲学101問」も積読だったのだが、それを切っ掛けに使い始めた。翻訳が今一つという感じはあるのだが、どんなものでも使えばそれなりに役に立つ。次回は、「問題52 眠る男」。それに決まるまでに「問題92 シュレディンガーのネコの問題」も挙げられたが、科学そのものの問題は紛れがあまりなく、多様な展開に欠けるかなと思った。ただ、その時に思い浮かべた竹内薫+竹内さなみ著「シュレディンガーの哲学する猫」(中公文庫、2008年; 単行本: 徳間書店、1998年)は、帰宅して中味をチェックすると哲学で一杯だった。ぜんぜん、シュレーディンガーの猫 - Wikipediaとは関係なかったが、「シュレーディンガーの猫」が哲学的な問題を含んでいるかどうかとは別問題でもあるかもしれない。

「哲学入門」と「シュレディンガーの哲学する猫」

戸田山和久著「哲学入門」と「シュレディンガーの哲学する猫」

こういう機会に積読を消化していくのも読書の醍醐味。哲学茶会のお蔭である。


今朝は少し早くテレビを点けて、サンデーモーニングの前のがっちりマンデー!!|TBSテレビを途中から見る。なぜマンデーかというと日曜は勉強、月曜から実践という主旨。今朝は自動販売機のお話。この中で、品揃えはレッドブルがポイントという話に、へーっと思う。レッドブルはRebuild.fmでhakuさんがいつも最初にプシュッと開けるところから始まるのだ。レッドブル - Wikipediaによれば、それほどカフェインが多過ぎて問題になるほどではないらしい。オーストリア産の飲み物とか・・・

更新: 2018-02-25T12:57:22+09:00
2/19/2018 (Mon.)

さて、今週の土曜日は哲学茶会だが、読むべき本が山ほどあって焦る気持ちを抑えるために、焦るなよ、のんびり行けと、だいぶ昔に購入したまま読み進められなかった本を取り上げる。いつものことながら、実はまだ読んだわけではない。少し進み始めた。ただいま25ページに到達。

アレグザンダー・マコール・スミス著「日曜哲学クラブ」(創元推理文庫、2009年)

「日曜哲学クラブ」

読み進められない本というのはたくさんあるのだが、話の展開が読み取りにくい場合が多いかもしれない。本書がそういう本かどうかはもう少し読み進めないとわからない。訳者の柳沢由美子氏の訳者あとがきも魅力的だし、まえがきもおそらく訳者のもの、「読者のあなたが日曜哲学クラブのメンバーのひとりなのです」という書き出しで誘う。面白そうだから購入したのだ。その割には随分長い間埃を被っていた。おそらく8-9年経っている。時はすぐ経つ。いつのまにか、新しいものも古くなる。創元推理文庫創刊50周年(2009年4月-2010年3月)の一冊。


帯の「天井桟敷から若い男が降ってきた」「舞台は古都エジンバラ 大人の女性の知的な冒険」「寄り道だらけの迷推理」が興味を掻き立てるし、タイトルが「日曜哲学クラブ」とまたなんだか意味深だ。日曜日に哲学をするクラブなんて、本当にあるのかなと。

さあ、読みながら少しずつ書き加えていこう。

30ページを過ぎるころから、頭に世界が入ってきた。「日曜哲学クラブ」という言葉が最初に登場する部分を引用しておこう。おもしろそうな雰囲気が伝わってくるだろう。

「このごろわかったんだけど、わたしって大衆向きじゃないのよ。プライベートショップをもちたいものだわ。メンバー制にして、店に入れるのはメンバーだけにするの。そしてメンバーになれるかどうかはわたしが選択するのよ。あなたの哲学クラブみたいなものがいいわ。そんな名前じゃなかったっけ?」

「日曜哲学クラブのこと? あれはあまり活発とは言えないわね。でも近いうちに会合を開くつもりよ」

「すごく面白いアイデアよね。日曜哲学クラブって。わたしも参加したいわ。でも、日曜日というのが困るの。休みの日になにかをする気になれないの。わかるでしょう? わかるわよね?」

イザベルはほんとうによくわかった。それこそまさにクラブのメンバーが悩んでいる点だった。

(32ページ)

ここを少し過ぎると、本の世界に入り込んで、我に返るまで気がつかなかった。こういう時は稀だ。52ページへ。

途中だけど、Amazonを調べると、児童文学の作家でもある。アレグザンダー・マコール・スミス - Wikipediaによれば、日本ではあまり翻訳が出ておらず、成功しているとは言えないと思われるが、Alexander McCall Smith - Wikipediaによれば非常な多作家で成功している。No.1レディーズ探偵社 - Wikipediaが代表作。エディンバラ大学の医事法の名誉教授。エディンバラはスコットランドの首都。スコットランドに関係のある人物や事象、24件についてはこれもおそらく訳者の注がまとめられている。

主人公のイザベル・ダルハウジーは応用倫理学レビュー誌の編集長という設定。著者自身は、Wikipediaによれば、医事法と生命倫理学の権威とされている。主人公の文学や哲学、美術・音楽についての見解が各所に披露される。文学・哲学・美術・音楽について詳しいとよりおもしろいのかもしれない。知識があればそれなりに面白いだろうし、ないとしても、調べればいろいろと勉強になるのだと思う。例えば、哲学について言えば、86ページには「もちろん、うそがすべて悪いとはいえない。それこそカントが間違っているもう一つの点だとイザベルは思っていた。・・・」という具合だ。

102ページ、第7章に到達。

102ページ、第7章

102ページ、第7章

物語は339ページだから、まだ三分の一弱まで。さて、登場人物のうちまだ四人ぐらいは登場していないかな。栞代わりに使っている2009年8月の新刊案内。


更新: 2018-02-23T22:52:51+09:00
2/18/2018 (Sun.)

XML is 20ネタ。Robert Barta - search.cpan.orgから、いろいろと調べると、XML.comのRobert Bartaが見つかった。Topic Mapsも懐かしい言葉。Robert Barta / TM-1.56 - search.cpan.orgあるぐらいだから、当然のつながり。TMQL: A Brief IntroductionAn Introduction to TMAPIの記事がある。ここで、たまたまTim Brayの2月10日の記事と出会った。偶然。

Tim Bray氏のXMLの20歳の誕生日の記事に次の記述を見つけた。

Now, the mirror image of that statement is that you can treat data records as documents. People did a lot of that with XML just because there was no other alternative and, well… while it worked, you could do better, and in fact we have done better, for weak values of "better". I wonder if we'll ever do better still? As the editor of the IETF JSON RFCs, I'm a pessimist.

そこで調べると、事実上最後のJSON仕様「RFC 8259」と「ECMA-404 2nd Editon」公開。UTF-8エンコード必須に − Publickeyを見つける。JSONがデータ形式として主流になりつつあるから、当然とは言え。頭に入れとこう。

更新: 2018-02-19T00:16:34+09:00
2/17/2018 (Sat.)

山本一成ポナンザ本は、人工知能とは何かをうまく説明している。人工知能は「探索」と「評価」の組み合わせからなっている。探索して、その結果が有効か、あるいは有用かなどを評価する。明らかに無効であれば、その方向性は調べない。探索木の枝を剪定する仕組みで、探索の効率を高める。

「探索」と「評価」に何を使うかが問題である。Google DeepMindの汎用強化学習論文では、Elmoをコンピュータ・チェス・プログラムと同様の「a highly optimised alpha-beta search engine with many domain-specific adaptations」としている。カスパロフ氏は「ディープシンキング」に次のように述べられている。

現代のチェス・プログラムはすべて、基本のミニマックスの概念に、アルファ・ベータ式のプルーニング探索アルゴリズムを適用する手法に基づいている。この構造を基に、プログラマーはチェスの評価関数を構築し、最適な結果を得るべくチューニングする。・・・

(58ページ)

ちなみに、プルーニング(pruning)は剪定(枝刈り)という意味である。アルファ・ベータ法 - Wikipediaのことをalpha-beta pruningという。CS 161 Recitation Notes - Minimax with Alpha Beta Pruningを参照するとよい。

本日記はもともと更新履歴を記録するものだったが、次第にメモになった。更新とはWEBで調べたことを追加する作業でもあり、結果として調べたことを記録する場所になったわけだ。何らかの気になった主題について調べ、そこで派生した事柄をさらに調べるという繰り返しからなっている。人工知能と同様に探索と評価の繰り返しになる。それを物語として日記風に仕立てているだけだ。物語として語るのは、人間の特性でもあるわけだが、実用的には連想の文脈を記録するためである。そして、ある程度記録として読みやすくするためでもある。今の人工知能には難しいだろうと思うが、さて、どうなんだろう。それらしいことは語れるのかもしれない。

おそらく、そういう観点から調べると必ず何らかの研究や文献が見つかるはずだ。そのような連想からなっているのが、本日記である。連想による単なるメモなので、様々な事柄の一種の混沌とした羅列のように見える場合もあるはずだ。それは本日記の性質上仕方がない。

もちろん、単に調べたことの時系列記録だけではなくなってきていて、過去を参照(検索)して脈絡を付ける作業も含まれるようになる。一応、カテゴリ分類もなされ、項目は随時拡張しつつある。途中からはカテゴリのグループも作ってきた。一時、キーワードでタグ付けすることも試みたが、結局、キーワードが記事中に含まれるならば、記事を検索すれば済む話なので、中断したまま。カテゴリ・キーワードに何を選択するかという課題は残っていて、最適化は途上にある。これは変化するものなので、固定的に考えてもあまり意味がないから、最適化は随時行う仕組みになる必要がある。

最初の頃、コホーネン先生の自己組織化マップ{AI::NeuralNet::SOM - A simple Kohonen Self-Organizing Maps. (2002/05/26)}をPerlのモジュールから見つけて、少し勉強したりもしたが、そこにテキスト分類の手法として、すぐには重要な意味を見出すには至らなかった。テキスト分類については、今のところ、検索すればよいというところに留まっている。いずれ、遠い(どれくらい?)将来、何か考え付くかもしれない。

最新のAI::NeuralNet::SOM - search.cpan.orgを見ると、Robert Barta - search.cpan.org氏が発展させておられるが、2008年ぐらいまで。kill -9 `/dev/cat` | "Trust me", the white-haired man said...の著者サイトも2010年ぐらいまでの更新に留まっている。

今時なら、機械学習で随時新しいインデックスを生成するというようなアイデアもあるかもしれない。実際、最近のGoogle検索結果はそんな具合の結果をユーザー毎に生成している可能性もあるのではと思ったりしている。

本日記では、機械学習の関連では、Daphne Koller (2004/02/08)氏をMIT Technology Reviewの「10 Emerging Technologies That Will Change Your World」にあったベイジアン・マシン・ラーニング(Bayesian Machine Learning)で取り上げている。「Object-oriented Bayesian Networks」を調べ直すと、応用したかなりの文献が見つかる。Daphne Koller - Google Scholar Citationsによれば、1997年の同名の論文は677件の引用数になっている。

更新: 2018-02-18T11:23:27+09:00

少し暖かくなったと思ったけど、夕方は少し冷える。お昼に車で阿品台まで送っていったのを、帰りは寒いというので、ちょうど朝日杯の決勝が終わったところだったので、途中の御幸橋近くのバス停まで迎えに車を出す。

来週の天気予報を確認するとまだ最低気温が零下の日がある。2月は冬。

世の中、将棋よりは平昌オリンピックの羽生・宇野選手の金・銀メダルの話がだいぶ優勢。庶民は将棋のことはともかく、だれも人工知能のことなんて気にしていない。

既に人工知能は生活の中に入り込んでいる。誰も気にしていない。

今朝から見ていた。準決勝で羽生善治竜王に堂々と勝ち、決勝戦では広瀬章人八段に手堅く勝利。最近の強さは半端ではなく安定していると感じていたが、これで56勝11敗、勝率83.6%。

将棋はやはり脳能力戦、お互い知力を尽くして戦う姿は爽やかであった。カスパロフ氏がチェスをオリンピックにと提案されているようだが、グーグル・ディープマインドの汎用強化学習アルゴリズム論文(2017年12月5日)には「将棋は、計算の複雑さの面でチェスを上回る、かなり難しいゲームである。それはより大きい盤上でプレイされ、獲得された対戦相手の駒はいずれもサイドを変え、盤上のどこにでもドロップすることができます。」と認知されているのは喜ばしい。脳も一つの身体器官であることは間違いない。頭脳ゲームもスポーツ的な要素は強いと感じる。是非、将棋もオリンピックにと推薦されるぐらいに世界的なゲームとなればよいと思う。

2/14/2018 (Wed.)

この本は最近の人工知能のわかりやすい解説書にもなっている。グーグル・ディープマインドのアルファー碁についても、チェスと将棋、碁のAI、あるいはその機械学習の内容の違いも、かなり明確にわかる。そして、その結果、やはり、シンギュラリティ・イズ・ニアを実感させるという恐ろしい本でもある。デミス・ハサビス氏がディープマインド(DeepMind)の買収の際、グーグルに倫理委員会の設置を求めたというのも、未来を既に見通しているのだろうと思う。大変お勧めの一冊である。

もう、AIは人間を超えている。あらゆる領域で人間を超えていく道筋も見えつつある。そういう話だ。AIから学ばれる人間は倫理観を持って身を正して生きねば、世の中が悪くなるという未来予想である。

つながりあったディープラーニングでは、別々の目的で作られたディープラーニングが相互に連携して他の目的に「転移」させることで、さまざまな知的活動が可能になると見込まれています。そして、将来的には、「転移」を重ねたディープラーニングをつなぎ合わせ、途方もなく巨大なディープラーニングが完成されるのでしょう。

これはまさに、途方もなく巨大な神経回路である人間の脳を模したものです。そうした構造を持つ人工知能であれば、知性の獲得は決して不可能ではないと思えるのです。

(本書、第4章 倫理観と人工知能 - 人間からの卒業、185ページ)

転移学習については、教師なし転移学習のための深層学習モデル(Deep Learning Models for Unsupervised and Transfer Learning)など・・・ (01/11/2018)の記事のリンクを辿るとよい。

自然言語をAIが学び始めるとさてどうなるか・・・というわけだ。やはりディープ・ラーニングがキーワードになる。山本一成著「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?―最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質」(ダイヤモンド社、2017年)。これほどの内容を持っているとは思わなかった。さて、やはり、問題は自然言語だが・・・「ディープ・シンキング」も霞んでしまった。

本書、「汎用強化学習アルゴリズム」論文と「ゲーム理論と経済的行動」

本書、「汎用強化学習アルゴリズム」論文と「ゲーム理論と経済的行動」

昨年末に出たDeepMindの汎用強化学習アルゴリズムの論文、「Mastering Chess and Shogi by Self-play with a General Reinforcement Learning Algorithm」、人間の棋譜を学習しなくとも、ゲーム・ルールさえ与えれば、白紙から機械の自己プレイだけで人間を超えるまで強くなるというもの。AlphaGo Zero(AlphaGo Zero: Learning from scratch | DeepMind)の論文に続いて、それを一般化したAlphaZeroをチェスと将棋に応用した論文が出た。フォン・ノイマン、モルゲンスターンの「ゲーム理論と経済的行動」は完全情報ゲームとしてのチェスを論じている。60周年記念版の表紙にはチェスの駒があしらわれている。初版は1944年。実は本書にもノイマンの著書の表紙が掲載されている(138ページ)。


個人的なプログラミングの対象として、少しディープ・ラーニングに興味が出てきたね。

「転移」学習(transfer learning)を調べていると、Nitish Srivastava氏のDeep Learning Models for Unsupervised and Transfer Learning | TSpace Repositoryを見つけた。2017年のトロント大学の博士論文なので、内容的に新鮮で詳細だ。現在は、卒業後、Appleで働き始めたとある。

本書には「過学習」の問題が、第2章「黒魔術とディープラーニング - 科学からの卒業」、『ディープラーニングを支える黒魔術、「ドロップアウト」』に取り上げられている。Nitish Srivastava - Google Scholar Citationsの引用数トップの論文が、「Dropout: A simple way to prevent neural networks from overfitting, N Srivastava, G Hinton, A Krizhevsky, I Sutskever, R Salakhutdinov, The Journal of Machine Learning Research 15 (1), 1929-1958」である。やはりHinton先生の教え子。ディープラーニングのほとんどの研究者はHinton先生の関係者ということになっているようだ。www.cs.toronto.edu/~nitish/dropout/にもある修士論文「Improving Neural Nets with Dropout, Masters Thesis, University of Toronto, Jan 2013.」を見ていて、「4.2 Logistic regression and deep networks」の項目を見つけた(論文の19ページ)。山本一成氏がポナンザでは機械学習にディープラーニングではなく「ロジスティック回帰」を使っていると書かれていた(89ページ)ので、反応してしまった。

For logistic regression and deep neural nets, it is hard to obtain a closed form marginalized model. However, Wang [28] showed that in the context of dropout applied to logistic regression, the corresponding marginalized model can be trained approximately.

このWang[28]を調べていて、Sida I. Wang - Google Scholar Citationsに新しい論文(2016年)として、[1606.02447] Learning Language Games through Interactionを見つけた。見つけてばかりいるわけで、止め処なくひろがっていくが、今度は「Language Games」に反応したわけだ。明らかにウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」を想起させるし、実際、それにインスパイアされた研究である。

さて、チョムスキー先生がディープラーニングの進展に注意を払っておられないわけがないし、今年の新しい展開には注目だろう。再帰的構造にディープラーニングを適用しようという検討は既になされているようだが・・・

丸山不二夫先生が既に昨年3月に検討されているね。形式的文法のChomsky階層とDeep Learning。最近のマルレクで「Mergeとはなにか?」を取り上げられていたが・・・

それはともかく、2017年4月に書かれたあとがきで、山本一成氏は、本書執筆中に、ポナンザのディープラーニングの導入に成功し、ディープラーニングの将来性を確信しているとされている。そして第二期電王戦の第一局でボナンザ(文脈から見てロジスティック回帰バージョンのはず)が佐藤名人に勝利したことを述べ、佐藤名人は対局前に貸し出されたポナンザにほとんど勝てなかったと発言されたことに言及している。今や、既に、汎用強化学習アルゴリズム、AlphaZeroが存在していて、将棋の世界もGoogle DeepMindに制覇されたのかもしれない。山本一成氏は次にいったいどこに進んでいかれるのだろう。ポナンザ2045なのかもしれないが・・・楽しみではある。

尤も、AlphaZeroが将棋で戦ったプログラムはElmoで、Ponanzaではない。

Shogi is a significantly harder game, in terms of computational complexity, than chess (2,14): it is played on a larger board, and any captured opponent piece changes sides and may subsequently be dropped anywhere on the board. The strongest shogi programs, such as Computer Shogi Association (CSA) world-champion Elmo, have only recently defeated human champions (5). These programs use a similar algorithm to computer chess programs, again based on a highly optimised alpha-beta search engine with many domain-specific adaptations.

...

5. Computer Shogi Association. Results of the 27th world computer shogi championship. http://www2.computer-shogi.org/wcsc27/index_e.html. Retrieved November 29th, 2017.

([1712.01815] Mastering Chess and Shogi by Self-Play with a General Reinforcement Learning Algorithm)
更新: 2018-02-17T20:50:40+09:00
2/12/2018 (Mon.)

半世紀もくすぶっていた難問に挑んだ「天才哲学者」驚きの論考(千葉 雅也) | 現代ビジネス | 講談社ネタのほうを取り上げよう。天才哲学者とはマルクス・ガブリエル(Wikipedia)のこと。

実在論は、英語では、Realism。存在論は、Ontologyだ。リアリズムは普通の言葉では現実主義みたいな感じで意識している。存在論は存在の仕方の本質を考えるというような意味で受け取られているように思う。Ontologyという英語を聴いて思い出すのは、OWL(Web Ontology Language)、調べると、今ではOWL 2(OWL 2 Web Ontology Language Document Overview (Second Edition))が構想されている。これは存在をどう捉えることができるかというお話だ。2012年のW3C勧告。

真の実体は科学でのみ捉えることができるというのは、真という意味をどう定義するのかによるのに過ぎない。上記の記事の簡略化された議論におけるAのパースペクティヴとBのパースペクティヴから観察できる実体は理想的には科学的に観測できる実体の一側面と捉えることができる。以上、終わり。このどこが難問かがわからない。実体は観測によってしか知ることができない。そして、観測するためには理論が必要だ。真かどうかは、観測する理論が正しいかどうかによる。この正しいという言葉の定義にもよるわけだが。そして、その結果、理論を作るためには観測が必要になる。結局、物理学などの科学は、いかにすれば真に近づけるかという人間の努力なのだ。

非科学的な実在性もファンタジーの実在性も、人間の脳の中の現象である以上、実在と考えることができる。実際、存在しているじゃない・・・

次の出発点は、OWL 2あたりを到達点として理解するところから始めるぐらいかもしれない。でも、さてどうなんだろう。これは機械やロボットにとって必要なものなんだろう。人間にとっては自明。

グレアム・ハーマンの思弁的実在論はObject-oriented ontology - Wikipediaによってプログラミングのオブジェクト指向と結びつくところが面白いんだけど・・・ここで終わるはずがないと思うわけだ・・・オブジェクト指向といっても奥が深いからね・・・OWLはかなりのレベルにあると思う。プログラミングなどの情報処理テクノロジーだけでなく、論理学や哲学などを含んでいるように見える。ただ、関連論文の著者を調べてみると、実際の哲学者が参画しているわけではないようだ。

更新: 2018-02-12T17:17:50+09:00

山中伸弥さんが羽生善治永世七冠に聞いた「AIと将棋の未来」(山中 伸弥,羽生 善治) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)ネタ。Twitterで半世紀もくすぶっていた難問に挑んだ「天才哲学者」驚きの論考(千葉 雅也) | 現代ビジネス | 講談社の記事を知って、それを読んでいるときに見つけたネタ。

将棋のソフトウェアは今は無償で得られる。チェスは少なくともそうではないらしい。そのため、将棋のソフトウェアはオープンであることによって非常に急速に進化しているらしい。

コンピュータ将棋対局場からFloodgateの最近の対局リスト、Recent Game Recordsに辿り着いて、少し、コンピュータ同士の対局を眺めた。かなりレベルの高い対局が見られる。指し手が早いので、こちらがじっくり考えている暇はない。

さて、人間の将棋の魅力がどこにあるのか。人間がどこまで能力を高められるか、カスパロフ氏がオリンピックにチェス競技を取り上げるように提案されているという話を読んで、なるほどそうかもしれないと思った。

さて、山本一成著「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?―最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質」が届くはずだが・・・

2/11/2018 (Sun.)

Perl 6 DocumentationGitHub - perl6/doc: Perl 6 documentation (tools and docs)Issues ・ perl6/doc ・ GitHubでは、過去、801件の問題が処理され、さらに291件の問題が開かれている。

これだけ大規模な言語。簡単に「Programming Perl 6」を書くことはむずかしいかも。

Perl6入門は翻訳も整備されているので、まずはここからスタートするのがよさそう。今朝(月曜)、GithubのRakudoのメールからtitsuki (Itsuki Toyota)氏を調べていて気がついた。僕が前に「Perl 6 Introduction」を印刷したのは、2016-04-26の英語版(オリジナルのPerl 6 Introduction)。Itsuki Toyota (titsuki) - Libraries.io、今後に期待したい。

更新: 2018-02-12T09:42:39+09:00

とうとう、Windows 10ノートブック(SOLUTION∞、iiyama)を本格的に使うための理由が見つかった。Android Studioを使う。今日も少し古いコードをビルドしてみた。これまでは、ビルドのエラーメッセージのリンクをクリックすると新しいライブラリやパッケージがインストールされて、何度か繰り返すうちにエラーは解消されてしまうのだが、今日はそういうわけにはいかなかった。

エラーメッセージの中のメソッド名「BaseConfig.getApplicationIdSuffix()」をググると、AndroidStudio 3.0.1 のビルドエラーについて - Qiitaの記事が見つかった。これに基づいて、Project StructureのProjectメニューのGradle VersionとAndroid Plugin Versionを修正する。

Build Tools Versionについては、build.gradleを編集するようなのだが、やはり、Project StructureのappメニューのPropertiesタブにあるBuild Tools Versionのプルダウンメニューから26.0.2を選択するだけでよかった。

Project Structure(android studio 3.0.1)

Project Structure(android studio 3.0.1)


スマホを開発モードでUSB接続してビルド、apkインストールして起動。問題なく動作した。

WinSCPの新バージョンとGIMPをインストールして、Android StudioのProject Structureのウインドウの画像を作って、FTPした。ノートブックからサイトを編集する環境がようやく動き始めた。

山崎隆之八段VS.斎藤慎太郎七段戦。手に汗を握るおもしろい終盤戦だった。

最後詰むところは盤面全体が見えていないとわからない。山崎八段もう負けかなと思っていたら、これで詰むのか・・・香が効いているのが解説されて初めて見えるのだから、まったくダメ。がっかり・・・それにしても山崎八段の凄さが感じられた一番だった。

いやはや、いつもながら肩肘張ってしまうのだけど、Amazonの書籍紹介メールから、山本一成氏を辿っていて、将棋ウォーズにある史上最強に弱いPonanzaの話|山本 一成@Ponanza|noteの話を見つけて、なるほどと思った。こういう逆転の発想が必要なのかもしれない。素晴らしい。難しい話は止めて・・・自然に行こう。「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?―最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質」(ダイヤモンド社、2017年)が明日届くだろう。野矢茂樹先生が朝日新聞書評で絶賛されているとか・・・「人間は、へぼだから、楽しいのだ。」・・・止む負えない出費だなあ。成り行き上・・・「名人」を超えたというのは、佐藤天彦名人、人工知能に敗北決定 将棋・電王戦:朝日新聞デジタルのこと。

更新: 2018-02-11T18:13:41+09:00

遅くまで起きていたせいか、今朝、室温は17℃ぐらいあった。しかし、外気温は3℃。予想最高気温は5℃だから外は寒いはずだ。デスクトップPCを起動すると、Amazon Musicが更新があると告げている。最近は更新が頻繁だ。更新履歴がないので、何がどう変わっているのかよくわからないのが難点。

Amazon Musicのインストーラは日本語ユーザー名フォルダにあるアプリケーション・データ(AppData)を利用しているが、問題なくインストールできる。ユーザーを特定する必要のあるアプリは、Program Filesなどのフォルダではなく、ここにインストールされるらしい。

一方、JavaのUpdateはダウンロードさえ失敗する。エラーメッセージの表示は英語。アップデートのメッセージが出るたびに、直るかなと、繰り返して試している。こういうエラーは初めて見たが・・・

サンデーモーニングの関口さんは無事復帰されている。

いろいろと現代の問題が取り上げられる。一つだけ、石牟礼道子さん死去、水俣病描いた「苦海浄土」の作家 皇后さまに送った手紙。「苦海浄土」を関口さんが紹介されるのに「くがいじょうど」と読まれたので、調べるとかな漢字変換で最初に出てくるのは「苦界浄土」。なるほど、これに被せた言葉なのかと思ったが、さらに調べていくと、天台宗、源信の「往生要集」に苦海とある。苦海は生死、六道輪廻の意ということらしいが、苦い言葉。

他に、株価暴落、戦術核などの話も重い。終末時計は水爆開発の脅威で1953年に残り2分となっていたのだそうで、最近の状況を見て、発表されたのも同じ2分。終末時計、残り2分に...「核戦争の脅威への対応に失敗した」。実際には核戦争だけでなく気候変動への脅威に対しても効果的な対応を求めている。Timeline | Bulletin of the Atomic Scientists

機械学習も世界を平和にするため、あるいは気候変動に対処するための機械学習になってほしいと思うばかりだ。

日本経済新聞 2018年2月10日(土)第1面

日本経済新聞 2018年2月10日(土)第1面

昨日の新聞だけど、「債権バブル転換点」と大きく書かれ、債権の時価総額が株価と共に膨らんでいたと記載があり、各国中銀の保有資産は今年末には減少に転ずると予想されている。もう一つのグラフは米2年債の利回りが米国株の配当利回りを上回ったことを示している。これが「金利発株安の流れ強まる」との見出しにつながっている。


石牟礼道子さん死去 水俣病を描いた小説「苦海浄土」:朝日新聞デジタルも残しておこう。読んだことないねえ。記事の最後の池澤夏樹氏の言葉に思った。

作家・池澤夏樹さんの話

近代化というものに対して、あらゆる文学的な手法を駆使して異議を申し立てた作家だった。非人間的な現代社会に、あたたかく人間的なものを注いでくれたあの文章を、これからはもう読むことができない。本当はもっと早くから、世界的に評価されるべき作家だった。

石牟礼さんの執筆を支えたという渡辺京二氏(Wikipedia)に1203夜『逝きし世の面影』渡辺京二|松岡正剛の千夜千冊の著作があることを知った。さらに世界はつながっていく・・・千夜千冊には、985夜『はにかみの国』石牟礼道子|松岡正剛の千夜千冊がある。

更新: 2018-02-11T11:11:48+09:00
2/10/2018 (Sat.)

昨年夏のデスクトップ・クラッシュから回復して、6ヶ月目、未だに何の問題もない。むしろ、起動時のビープ音を聴かなくなったかな。最近、お呪いから遠ざかっている。お蔭で、復旧支援・バックアップ機として導入したノートブックが埃を被っていた。

デスクトップにおいてはユーザー名が日本語だと、どうもWindows 10は問題が多い。Windows 8ではだいぶ良くなったと思っていたのに。Windows 10ノートの方はアカウントが日本語名でも、ユーザー・フォルダ名はメールアドレスからアルファベットの最初の5文字を取って自動的に設定されている。デスクトップはWindows 8の設定からアップグレードしたのが問題なのだろう。ユーザー名を変更できるようにしてほしい。

WEB関係の開発は今のままのデスクトップでいいとしても、モバイルのアプリなどの開発環境やJavaのアップデート、そして肝心なRakudo Perl 6のアップデートなども日本語ユーザ名が障害になる。

最近のあらゆるものを巻き込んでいるAI狂騒曲。ディープ・シンキングを読んで、コンピュータの活用も次のレベルに進めようと思った。よく考えると、WEBに留まるだけではリアル世界につながらない。最近の手書きのノートはリアルでアナログな実体だが、どうデジタルに取り込むのか。モバイルデバイスの持つ様々な機能を活かす必要がある。

一度は、Android Studioを動かして、Android上にアプリをインストールしたりしていたのだが、しばらく遠ざかっていた。Windows 10ノートブック上で再設定の巻。半日がかりで入れて、以前試していたアプリを新しい環境でbuildし、実機をUSBでつないで動作することを確めた。プログラムの規模としてはかなり大規模なものになっている。

お遊びではなく、少し真面目にやってみよう。

更新: 2018-02-11T08:16:17+09:00

さて、「Deep Thinking」を読み終えた。最後の2割ぐらいを端折ってしまって、頭に入らず、結局何度も読み直した。ネタバレあり。

簡単にいうと、機械は人間ではないという当たり前のこと。人間は人間であることに意味がある。人間の能力を上回る機械(コンピュータ)を利用して、人間はさらに自らの創造力を高めることになるだろうというお話だ。

そんなに難しい話ではない。コンピュータ(ソフトウェア)を利用することによって、知識の修得は速くなり、活用能力も高まる。昔は文化やコミュニティ、教育機関などの地域性が人を育てるのに重要だったが、今の時代はコンピュータとインターネットによって地域性が薄まってきている。デジタルデバイドの問題はあるが、学習に関してはOpenCourseWare(OpenCourseWare - Wikipedia)やGoogleを含めたメディアの発達などによって世界でかなり平等な環境が生みだされている。学ぼうと思えば、実際上、安価に、いくらでも(未消化に陥るほど)情報を入手することができる。先進国・発展途上国(後進国)という分類は無意味になる時代が来つつある。将棋界で若い人が強くなってきたのもコンピュータの利用によるものらしい。経験が高速化され、年代間の差も少なくなるのかもしれない。

カスパロフ氏がディープブルーと戦い始めた1996年、ディープブルー並みのPCソフトウェア、「ディープ・ジュニア」と「ディープ・フリッツ」と引き分けたのが2003年、カスパロフ氏の後を継いだ人間のチェス世界チャンピオンがフリッツの最新バージョンに敗れた2006年まで、人間と機械の能力は拮抗していたが、その時代は終わった。それから10年以上が経過した、おそらく世界は未知の領域に突入しつつある。さて何が起こるか・・・

更新: 2018-02-10T13:21:48+09:00
2/8/2018 (Thu.)

昨朝、車の外気温表示が-4℃を示した。これまで見た中で最低。帰宅時が3℃。朝、交通量が少ない道路に僅かに積もっていた雪は、太陽の輻射熱できれいに溶けて乾いていた。今朝は-3℃。道路沿いの温度計は-5℃を示していた。寒いことは間違いない。室温が18℃まで下がったので、肌寒い。エアコンの設定を20℃から22℃まで上げる。カスパロフの「DEEP THINKING」も半分まで読み進めた。

ガルリ・カスパロフ氏はまだ54歳と若い。しかし、コンピューター・チェスの歴史を語らせたら、この人をおいてほかにないのだよね、実際、という感じで話が進められる。コンピューター・チェスの歴史はまだ短い。カスパロフ氏自身が、歴史そのものとも言える。しかし、前史においては、1952年にアラン・チューリングが紙の上にチェスのアルゴリズムを書いて、自ら「CPU」の役を演じたという。さすが、チューリング・マシンの発明者だけのことはある。そこから、1996年、1997年のディープ・ブルーとの対戦、その後のDeepMindまで、全てが語られている。2017年の著作なのだ。素晴らしい。コンピューター・チェスの歴史は、コンピューターの歴史そのものとして読むことができるぐらいだ。

さて、ディープ・シンキングとは何だろう。機械と人間を分けるもの・・・

2/5/2018 (Mon.)

スマートスピーカーが、テレビ、スマホなどから時間を奪いメディアの主役に!(山田順) - 個人 - Yahoo!ニュースネタ。

「あれ、これ、何て言うんだっけ」、「Echo dot」、「いや、何て呼ぶの」、「あー、アレクサ」、「アレクサ、あーっ、点いちゃった」、「ビル・エヴァンスを掛けて」。リモコンでオーディオアンプのスイッチを入れて、Echo dotの出力に切り替える。もう一度「アレクサ」と呼んで、ビル・エヴァンスを頼む。

結局、そればかりなんだけど・・・、アメリカでは急速に普及しているらしい。2/3がAmazon「Alexa」対応製品で、1/4がGoogle Home。ほとんどがこの二社で占める。

グーグルは「VR180」対応デジカメで、思い出を「気軽に追体験」できる未来を目指す|WIRED.jpの記事を見ても日本の影はない。やれやれ・・・

更新: 2018-02-05T22:36:45+09:00
2/4/2018 (Sun.)

ガルリ・カスパロフ(Garry Kasparov)著、羽生善治解説、染田屋茂訳「ディープ・シンキング 人工知能の思考を読む」(日経BP社、2017年)。読まずに済ますわけにはいかない・・・

「ディープ・シンキング 人工知能の思考を読む」と「人間対機械」

「ディープ・シンキング 人工知能の思考を読む」と「人間対機械」

当然とは言え、ディープ・シンキングの最初のほうに「人間対機械」(Michael Khodarkovsky、Leonid Shamkovich著、高橋啓訳、「人間対機械」- チェス世界チャンピオンとスーパーコンピューターの闘いの記録、毎日コミュニケーションズ、1998年)の話が出てくる。


「人間対機械」の本が出たのは本日記を書きはじめる数年前だが、その余韻は尾を引いていて、本日記では、カスパロフ氏の95ドルのチェス・ソフトとの対戦を取り上げた。人間対機械 (2002/08/12)とカスパロフは引き分けた (2003/04/22)。その後、「激指」などのコンピュータ将棋ソフトや人間との対戦が話題になり始めたのだ。

2003年にカスパロフが引き分けたプログラムの名前は「ディープ・ジュニア」でペンティアム4を4個搭載したコンピューター上で稼働した。すでに専用のハードウェアを用いた1997年のディープブルーと同じか、同等の棋力に達していた。と、59ページに記されている。

「人間対機械」の付録3にはACM(Association for Computing Machinery)コンピューター・チェス・イヴェントの記録がある。1970年にニューヨークで最初に開催されている。歴史が長く深い。序文をガルリ・カスパロフ氏がチェス世界チャンピオンとして、19ページに渡って書いている。それから、20年後、Google DeepMindの時代にカスパロフ氏が何を考えているのか。大変興味深い。羽生竜王の解説は最後に読みたい。

本書の原題は「DEEP THINKING Where Machine Intelligence Ends and Human Creativity Begins」である。「機械知性が終わり、人間の創造性が始まる、深い思考」、直訳すればこうなる。「・・・私は好奇心が抑えられなかった。コンピューターは、世界チャンピオン・レベルのチェスを指せるのだろうか。本当に思考が可能なのだろうか。」と書いている(9ページ)。

更新: 2018-02-05T22:57:39+09:00

'Altered Carbon' Review: This May Not Be the Cyberpunk Show You're Looking For | WIREDネタ。Essential Phoneの記事をWiredの米国サイトで見つけて、記事リストの単位サイズがPCのブラウザで見るには小さすぎるデザインだなと思った。購読モデルのページのようだ。広告モデルのページもあるらしい。眺めていると、「Altered Carbon」の文字が目についた。

最近、Rebuild.fmで話題になった話。Rebuild.fm ep200 - 未来がそこまで来ている (01/27/2018)参照。Netflixは良い番組を作り続けている感じ。

本日記ではNetflixを2008年からキャッチアップしている。既に10年が経過している。しかし、Netflixを実際に初めて視聴したのは昨年の7月のこと。現実は10年遅れか・・・

ただ、コンテンツはAmazonプライムだけでも豊かに溢れている。読みたい本も山ほどある。当面はApple Music(980円/月)の動きが今年どうなるかだね。Amazon Music UnlimitedのEchoプラン(380円/月)に移行すれば、Netflixのベーシックプラン(650円/月)を合わせてもコストは変わらない感じ。ただ、Echoプランでは楽曲の選択がままならない可能性が高い。個人プランはプライム会員なら年会費で7800円(650円/月)。Netflixは必要なものだけ見るために一時的に入るということにすれば、これでもいける。

結局、Apple Music/Apple TVのコンテンツ次第なのだ。Apple Eventsはともかく、独自コンテンツがほとんど話題になっていない。年末のApple、来年末にもiTunes Storeでの音楽ダウンロード販売を終了か - iPhone Mania(2017年12月10日)の記事が気になっている。Apple TVのハードウェアとAppleのネームバリューで持っている。今年は維持の判断。Apple、独自映像用予算を4倍増!Apple Musicのブランドも見直しへ - iPhone Mania(2017年11月26日)の記事も必読かも。

Apple、スティーブン・スピルバーグ氏のヒット作リメイク権を56億円で獲得か - iPhone Maniaには期待が持てる。

更新: 2018-02-04T20:43:08+09:00

あれ、関口さんがいない。調べると、関口宏、インフルエンザで「サンモニ」休む…番組スタート30年で初の病欠 : スポーツ報知の記事。

仮想通貨の話。姜尚中先生が「なぜ、仮想通貨に資金が集まるのか」と・・・基本的にはカネ余りがあるのだろうけど、国家の存在が問われているのではというお話。政治的には米国もロシアも内向き。これを受けてか、日中はようやく交流重視に転換か。もはや、大国が自国のことだけを考えていては、人類の存亡に関わる事態になりかねない。食料を含めた資源、エネルギー問題がここ10年で大きな問題になるはず。実際、今でも大きな問題なんだけど・・・

日常的には野菜が足りなくなるとか、原油の減産で、価格が高騰するとかぐらいの話題しかないけど。これぐらいの日本の話はまったく大したことはない。しかし、アフリカの飢饉などの話もあるはずだが・・・

更新: 2018-02-04T17:00:09+09:00
2/3/2018 (Sat.)

御朱印集めにつきあった。明日から、また天気が悪くなりそう。

草津八幡宮から広島市市内を望む

草津から歩いて上がる入口にある鳥居

草津から歩いて上がる入口にある鳥居。車で上がる道は別にある。


草津八幡宮境内

草津八幡宮境内

狛犬がなかなか迫力あり。


草津八幡宮本殿

草津八幡宮本殿

建築物としては最も古そうだ。見どころなので見逃さないように。


節分というのは季節を分けるという意味。明日が立春。

日経新聞、2018年2月3日(土)第3面。米4強「スマホの次」争奪。AI・クラウド主戦場 市場支配に批判も。スマホ成長曲がり角。昨年、初の世界出荷減少。

日経新聞、2018年2月3日(土)第3面

日経新聞、2018年2月3日(土)第3面

2017年の世界出荷台数が前年比0.1%減の14億7240万台だった。米IDC調べ。まだ、踊り場なのか、高原状態が続くのか、漸減状態になるのかはわからない。世界人口(76億人)比、5年で買い替えならこれぐらいの数字が維持されてもおかしくはない。


次はAIスピーカーなのだろうね。Essential HomeもAIスピーカーに分類されるか、それに近いデバイスになりそうだ。

スマホの今後の革新の一翼を担うと考えられていた(Andy Rubinの)Essential(PH-1)は、Rebuild.fmによれば、5000台しか出荷されなかったとか、カメラがよくないとか。そして、新しいiPhoneやAndroidのフラッグシップ機Pixel2は、あまり差がなくなってきているらしい。エッセンシャルの現状を確認しよう。

調べていると、昨年末のApparently Only 50,000 Essential Phones Have Been Sold | Ubergizmo(By Tyler Lee on 12/12/2017)の記事が見つかった。これはアプリのダウンロード数からの推定だが、5万台。

Essentialのブログには、今年になってPicture Perfect: Announcing the Portrait Mode Contest Winners(Ben Samples January 11, 2018)の記事が上がっている。写真がいい悪いというのもむずかしい部分がある。題材も問題だし、画質はどのディスプレイで見るかという問題もある。

iPhoneはいい写真が撮れる。これまでいろいろ見てきた経験では、それは間違いないみたいな気がする。しかし、カープの優勝パレードを古いカシオのデジカメ(EXILIM EX-H20G)で撮った写真を知り合いにラインで配布すると、「カメラでしょ、いい写真ね、スマホではこんなには撮れないと思う」と、お世辞もあるのだろうけど褒められた。ズームを使った写真だ。スマホは実用的にはシャッターチャンスを逃さずにスムースに撮れることが最も重要だが、ズームが欲しいと思うことは多い。実際、スマホにそれほどカメラを期待しても仕方がないと思う。既にスマホのカメラは十分に高性能だろうが、カメラはカメラで進化すべきだ。

エッセンシャルで最も期待しているのは、Essential Home。Essential Home | My Home is EssentialのAmbient OSはデバイスを自動的に検出してセットアップする。もちろん、そういうことができる前提が重要なんだけど。

既に導入しているAmazon Echo dotの音声出力をオーディオシステムのアンプにつなぐと、それだけで自動化において様々な制限が生ずる。当たり前のことだが、まずオーディオ入力のセレクタをEcho dotに合わせるためには、リモコンかダイヤルのセレクタを使う必要がある。これからはオーディオ自体も自動化を前提としたシステムになっていくだろう。

Technology can be beautiful | Essential Home | My Home is Essentialによれば、尋ねてもいいし、タップしてもいいし、一瞥するだけでも活性化できる。これはEcho dotが進化したシステムのようにも見える。

追記: Essential Phone (PH-1) Price Cut: Should You Buy it for $500? | WIRED(EFFREY VAN CAMP GEAR 10.23.17)の記事があった。カメラ問題について言えば、「カメラにいくつかの問題はあるが、大雑把に言えば、2017年のベスト・スマートフォンと同じレベル。200ドル安くなるなら、購入を検討する価値がある」という主旨の記事。

更新: 2018-02-04T08:21:54+09:00
2/1/2018 (Thu.)

帰宅して気がついて、梶浦四段との9回戦を見始める。途中で、Person of Interestのシーズン4、エピソード2を見て、AbemaTVにもう一度切り替える。

C級2組で9戦全勝。10回戦を残して、昇級・昇段を決めた。すごいもんだね。最近は安定してきた感じ。いつものことながら、感想戦前のインタビューの受け答えも卒がない。以前と比べて、落ち着いていて自信を感じさせる。2月17日の羽生竜王との朝日杯の準決勝が待ち遠しい。

更新: 2018-02-02T00:07:05+09:00

今朝の外気温は4℃。帰宅時、6℃。マイナスの気温が続いていたのが、少し上昇。外気温は車の温度計の値。道路沿いに設置されている温度計の表示は車の表示から2℃引いたもの。昨晩、「失われた図書館」を読み終えた。01/25/2018: [本] 十夜一冊 第千四百三十夜 A.M.ディーン著「失われた図書館」 - 寒き日々の楽しみから続く。

読みやすい本だった。著者のA.M.ディーンは古代文化や宗教史の分野の大御所のペンネームとのこと。もっと、専門分野の知識が盛り込まれるのではと思ったが、意外と現代的な展開だった。現代の話なので、古い内容を盛り込むには限界がある。むずかしいところかな。

ジェラルディン・ブルックスの「古書の来歴」は現代と過去を行き来して話が進んだ。もうどんな話か忘れてしまったが。本の人々 (2012/04/15)。

「失われた図書館」と「古書の来歴」

「失われた図書館」と「古書の来歴」

6年も経つと本の内容を忘れている。記憶は儚いものなのか、脳内のどこかに残っているものなのか。


忘れていたものも、少し断片を見つけると芋ずる式に思い出す。記憶とはそういうもの。最初に浮かんだ言葉とイメージが「蝶」。物語の過去と現在をつなぐ。

A.M.デイーンの次作は「The Keystone」。マミとマイケルの物語というとバイリンガルニュースになってしまうが、エミリーとマイケルはめでたく結婚して、エジプトの現代の呪いを解くらしい。

ジェラルディン・ブルックスのほうも新著がある。こちらは経験豊富な世界的な女性ジャーナリストで基本的には取材がベースになっているのだろう。「March」(2005年)でピューリッツァー賞を受けている。「古書の来歴」(People of the Book)は専門的でかなり奥が深い。それを物語に載せる手法も手が込んでいる。リアリスティックなSF的歴史小説とも言えるかもしれない。過去を再発明する。「The Secret Chord」(2015)もそんな感じだが、翻訳が出れば読むだろう。あれ、ニューヨークタイムズも再発明だと言っている。同じ題材を別の観点から再発明する。みんな考えることは同じ。The Secret Chord, by Geraldine Brooks - The New York Times。ダビデ王の物語。

更新: 2018-02-03T10:15:52+09:00
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