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2/27/2019 (Wed.)

1699夜『日本語が亡びるとき』水村美苗|松岡正剛の千夜千冊が出た。驚いた。最新四夜のうち、三夜が既読とは。

この流れを巻き起こしているのはどうも千夜千冊エディションのようだ。

さて、何を考えてきたのかをチェックしてみる。

更新: 2019-03-01T22:34:01+09:00
2/26/2019 (Tue.)

実際、すべては書き尽くせない。二月にあったこと。2月14日に毘沙門天の初寅祭へ。久しぶりの毘沙門台。毘沙門台小学校が駐車場になっていた。意外と楽に登れた。山ほど写真も撮ったが、少しずつ出そうか。

毘沙門天

毘沙門天


毘沙門台より広島市内を望む

毘沙門台より広島市内を望む

右手に見える山は武田山。広島旧市内は遠く海際に小さく見える。


2月20日、スーパームーン。その前日もすごく大きな月を見ながら帰宅。

スーパームーン、2019.02.20

スーパームーン、2019.02.20

少しズームで。


2月24日、広島文化学園HBGホールにて、広島交響楽団の「Music for Peace Concert」。小曽根真のショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番を聴きに。音楽としては、ベートーヴェンの交響曲第7番に感動した。やはりクラシックだね。帰りに席を立って、どこから出ようかと考えていると、見覚えのある顔が微笑む。YHさん。あー、ご無沙汰しております。お見掛けしたので、ご挨拶をと。それ以上の話もしなかったが。駐車場を探して、結局、中島神崎橋を渡った舟入側、ウオンツ舟入町店の有料駐車場に停めていた。めずらしいカメラ監視の自動精算。時間200円なので、3時間600円。安い感じ。ここでもHBGホールからそんなに遠くない。便利。

中島神崎橋より広島文化学園HBGホールを望む

中島神崎橋より広島文化学園HBGホールを望む

橋の名前が中島神崎橋と初めて知った。


小曽根真のピアノは自在で様々なスタイルで弾けるのだとか。まあ、ピアニストから見ればそうなのかもしれないが、僕にとっては曲が今一つだったと思われた。今回は二階のS席で聴いたのだが、小編成だと音響が今一つの感じがしないでもない。ピアノだけでなく全体的に音楽が浮かび上がらない。大編成の交響曲は問題なくよかった。・・・Apple Musicで探してもう一度聴いてみよう。

更新: 2019-02-27T21:17:24+09:00
2/24/2019 (Sun.)

思わぬ人から電話が掛かってくる。心配していた人から元気な声が聴けたのでよかった。SMSに電話番号だけが入っていたのだが、誰のかと思っていた。明日、広島に来るので会おうと。夜、待ち合せ。時は過ぎ去る。若い人は永遠に時間があると思っている。実際のところ、時間は消滅することもあるが、循環している。CYCLES OF TIME (2014/03/02)。

昨日は、哲学茶会 Vol.10だった。ほぼ常連みたいな7名。サイモン・ブラックバーンの「ビッグ・クエスチョン: 哲学」のなかの「Why is there something and not nothing?」が題材。日本語に訳せば、僕なら「なぜ何かがあって、何もないのではないのか?」とするだろう。単純には、人間が存在する空間に何もない状態は普通ないので、何かがあるのが当然という話になってしまう。それをなぜかと問うのがライプニッツらしい。「説明への渇望」という項がある。存在には理由がある。

ビックバンの前に何もなかったというのは理解しがたいわけだ。実際のところ、ロジャー・ペンローズ先生に言わせれば、ビックバンのあと、宇宙が膨張すると宇宙が薄まって時空が消滅するという。そして、またビッグバンが起こる。こうして宇宙が永遠に循環しているというのが、共形サイクリック宇宙論(Conformal cyclic cosmology)である。

宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか

宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか

ペンローズ先生はホーキング先生の先生。


ロジャー・ペンローズ著「宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか」(新潮社、2014年)。

更新: 2019-02-26T21:35:05+09:00
2/23/2019 (Sat.)

1698夜『心を自然化する』フレッド・ドレツキ|松岡正剛の千夜千冊

自然化するという言葉が、なんだろうと思わせるのだが、題名の英語を見ると「Naturalizing the Mind」(1995)となっている。意味を検索すると、naturalizeの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書によれば、「自然なものにする、神秘的でなくする」という意味もある。なるほどと思う。

僕の心の仮説は「記憶と情動と意識が心を形作っている」というもの、これだけではあまりにも雑な議論だが、記憶と情動は無意識と意識の両方に乗っていると思うからだ。いずれも意識的に完全に制御はできないので、無意識と意識の両方の領域に跨っていると考えている。記憶や情動が現れるのは意識においてなので、組み合わせとしては、記憶と情動と意識となる。意識は思考でもあるので、独立して扱う。11/23/2018: [日記] 時間・記憶・情動・意識・心・音楽

セイゴオ先生は次のように言われている。

・・・表象を知覚が反応した「情報のタグ」が外部に出てきたところでのみ扱うというところは、それなりに冷たくていい。内観主義の介在を避けるには必要な作業仮説だった。しかし、ここには問題もある。

そもそも心の自然化には、思考の自然化と経験の自然化があるはずで、その両方が表象によってのみ担われていると見るのは、むりがある。・・・われわれは自己の表象を、われわれの実在性や心因性から独立する自然科学の方法によって記述することは、できない相談なのである。

・・・

それは、心や魂の問題は「外に出す」ことによってしか議論できないだろうと、あるいは、「内」を外にするときのインターフェース(膜的なるもの)そのものに心や魂の特性の一部を付与しないかぎり議論にならないのではないだろうと、ぼく自身が昔から考えてきたからなのである。

「表象」意味を表象 - Wikipediaにあるように『知覚したイメージを記憶に保ち、再び心のうちに表れた作用をいう(イメージそのものを含めて呼ぶこともある)が、元来は「なにか(に代わって)他のことを指す」という意味である』と取れば、思考は、現実の知覚を常に経験(記憶)の表象と比較しつつ、取り扱うことになる。そもそも知覚とは何か、記憶とは何かが問題になるだろう。記憶された知覚を想起したものが表象というのであれば・・・「情報のタグ」という概念は具体的に何を指すのか。

具体的には、表象を表現したもの、外化したものが、言葉や絵や音楽になるのだろうと考えられる。自己の表象そのものを取り扱うことは、思考そのものを、なんらかのモニターができるようになれば、可能性はあるが、現在でも可能なことは、表現されたものの構造を調べることである。情報のタグとはおそらく複雑なパターンになっているだろう。情報のタグとは、むしろ表象のパターンそのものと考えた方が現実的な感じがする。単純化して言うと、表象を組み合わせて表現は生み出される。表象の持つ性質や表象同士の相互作用が表現に反映しているはずだ。また、表象の持つ内容・性質や相互作用には、表現者の世界観が反映している。そういったことを含めて表現を解析する必要がある。もちろん、表現者の世界観はどのように形成されるかという問題がある。

できるだけ、生の、リアルタイムの表現を研究することが大切だ。メモや日記のようなものが対象になるはずだ。Podcastのトークも興味深い対象になるだろう。音楽ならジャズのインプロヴィゼーション。そこに、表象が生成するモデルを見出す必要がある。しかし、その素材が見えないのだから、そんなこと不可能だと言うのも無理はない。おそらく、できるのは、その表現を生み出した当人だろうし、当人でさえ、記憶の限界があるだろう。当人の記憶構造も表現を生み出した後、当の表現を生み出すことによっても、さらなる時間の経過による持続的な表象の生成によっても、変化していく可能性が高い。そして、記憶構造が表現者の世界観につながっている。

それはともかく、一度、読んでみたいね。心を自然化する:フレッド・ドロツキ - ノートから(読書ブログ)は、かなり参考になる。

更新: 2019-02-24T13:49:44+09:00
2/22/2019 (Fri.)

村上RADIO - TOKYO FM 80.0MHz - 村上春樹を時々ウオッチしている。第5回を心待ちにしている。これまでのペースから考えると4月になるだろう。第4回の放送「今夜はアナログ・ナイト!」のオンエア・レポートは、全九曲のビジュアルなプレイリストとその時の語りを文章で再現している。聴き逃した方は必見だ。

最初のアルバムはドナルド・フェイゲンらのライブ・アルバム「The New York Rock and Soul Revue: Live at the Beacon」。ドナルド・フェイゲンの「Green Flower Street」を聴いた人は、これはいいわねと漏らした。村上RADIOで紹介されたのは「Madison Time」、アルバムから一聴して、曲目を見る前に聴いた曲だとわかった。これもドナルド・フェイゲンの曲。巷でも有名なアルバムらしい。Various Artists/『The New York Rock and Soul Revue: Live at the Beacon』:洋楽 ga 好き!など。

他に、Apple Musicで聴けたのは、そのもののアルバムではないけど「Cupid, Tony Orlando & Dawn」、「Peter Gunn, The Art Of Noise Featuring Duane Eddy」、「Chapel Of Love, The Hitmakers」の曲。「Cuando Tenga Sesenta Y Tres(When I'm Sixty Four), Los Mustang, Xerocopia」と「The Good Life, Blossom Dearie, Sings Rootin' Songs」はアルバムそのものがある。

アーティストは出てきても曲目がない三曲、「Sunset, Ohta-San」、「Flashdance - Tanz Im Feuer, Ramona」、「Pet Sounds, Freddie McCoy」は、Discogsのアルバム・リストを残そう。

Discogsのデータベースは極めて詳細だ。Blossom Dearie - Sings Rootin' Songs (Vinyl, LP) | Discogsを見て、そう思った。Apple Musicの「Blossom Dearie」の検索では、このアルバムのCDは出てこない。Discogsの「他のバージョン」の項を見ると3種のCDが日本から出ていることがわかる。次はタイトルの「Sings Rootin' Songs」でApple Musicを検索すると出てきた。アーチスト名がカタカナで表示されている。Apple Musicの検索は注意しないといけない。いろいろな切り口で検索する必要がある。出てこない場合は、DiscogsでCDがあるかどうか確認することも有効だろう。

・・・結局のところ、僕らはみんな自分の心に開いた穴を埋めるために、音楽を聴いたり、小説を読んだりしているのかもしれません。あるいは歌を歌ったり、文章を書いたりしているのかもしれない。

でも、そういう空白を抱えることって、人にとって大切なことなんです。あまりそればかり意識すると疲れちゃいますけど、ときどきふと自分の中にある何かの欠落に気づくことで、人生は逆に少し豊かになったりします。

(村上RADIO 第4回、最後にある言葉から)

人間がなぜ音楽を好むのかは大変興味深い問題である。モーリス・メルロ=ポンティ著「知覚の哲学 - ラジオ講演1948年」(ちくま学芸文庫、2011年)を読んでいる。菅野盾樹訳(本邦初訳)なのだが、訳者の注釈が充実している。並の注釈ではない。音楽については、第6章「藝術と知覚的世界」の348ページあたりに書かれているのだが、それほど深い考察はない。最後の話の流れの中で、マラルメの詩の話に転移して、音楽は消滅してしまう。「文学は言葉を使うが、音楽はそうでない」という話から発展しない。その前に音楽は楽句からなるという話で簡単に終わっているからだが。音楽は自らの構造を持っている。メルロは言語の方に関心が深い。音楽には歌曲もあるのだけど。文学とマラルメの詩との関係は、歌曲と器楽曲の関係に近いかもしれない。言葉の発話は音楽の起源かもしれない。あるいはその逆か。以前も取り上げたことがある岡ノ谷先生の言語の歌起源説、「言葉」はどのようにして生まれたのか | 時事オピニオン | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス

心は何からできているのか。言葉なのか、音なのか、視覚的イメージなのか、それらの総合的連関的集積なのか。心の穴が新たな心を紡ぎ出す。

更新: 2019-02-23T19:09:58+09:00

Arve Henriksen: Towards Language Album Review | PitchforkをApple Musicで聴きながら、1698夜『心を自然化する』フレッド・ドレツキ|松岡正剛の千夜千冊を読んだ。

奥が深すぎて、意味がまだ響いてこない。しばらく時間がかかりそうだ。

to be continued...

2/19/2019 (Tue.)

なぜか、Prime Videoで「Elementary」を見つけた。邦題は「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」。Elementary (TV series) - Wikipedia

今日、2月21日、第4回を見終えた。最後は、ホームズが麻薬中毒だった過去を告白しようとする場面で、市警の顧問として雇ってくれている、心やさしい警部との会話。心温まる。このシリーズ、シーズン7で完結するそうだ。先が長くて楽しみ。エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY - Wikipedia。米国内よりも海外で人気が出たらしい。かっこいいわけじゃないし、大分変わっている人物設定。そこが、本家のシャーロック・ホームズの物語の雰囲気を少しだけ感じさせる。

実を言うと、つい先日、T.A.シービオク+J.ユミカー・シービオク著「シャーロック・ホームズの記号論 - C.S.パースとホームズの比較研究」(岩波書店、同時代ライブラリー209、1994年)を手に入れたばかり。そこに現れた。

千夜千冊の各夜にシャーロック・ホームズが現れる。

本家の「緋色の研究」を既に手元になかったので買いなおしたのも千夜千冊のお蔭。さて、「本から本へ」という千夜千冊エディションの第一巻のタイトルが身に染みるようになった。「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」のシーズン1、エピソード5を見終えた。

to be continued...

更新: 2019-02-21T23:01:43+09:00
2/18/2019 (Mon.)

BSプレミアムかなにかをnasne/PS Vita TVで録画していたのを見た。昨年3月の再放送。ネコメンタリー特別編。

猫は絶対音感だから言葉がしゃべれない。人間は例外なんですよと講演。要は抽象化ができないとも言えるんだが、でも本当にそうなんだろうか。実際、言葉を持っていないからじゃないだろうか。なんて、不遜にも思う。絶対音感だから言葉が持てないわけじゃない。少ないけど、人間にも絶対音感を持っている人がいる。人間の絶対音感は猫の絶対音感とは違うかもしれないけど・・・

まあ、それはともかく、猫は食べて寝て遊ぶだけ、それでいいという話は確かにうらやましい気分にもなる。

その割には養老先生、ワープロに向かいながら怒っておられる。それが多くの著作を生み出している。

to be continued...

更新: 2019-02-19T20:29:16+09:00
2/13/2019 (Wed.)

昔の日記を読んでいると、十夜一冊は多読術(ちくまプリマー新書、2009年)を読んだ後に始めたことに気が付いた。

「千夜千冊 虎の巻」よりも詳しいというか、その二年後に書かれた「多読術」はさらに踏み込んでいる。多読術の実践は本棚の本の配置にも役に立ちそうだ。松J本舗を作るかな・・・本が見当たらないなんてことはなくなるかも。

これまで千夜千冊を本日記でどのように読んできたかをまとめたのが、「松岡正剛の千夜千冊」を読むのページなのだが、久しぶりにスクリプトをエディタから起動して更新してみた。既に248夜を引用している。最も多い引用回数の夜は4回で、いくつかの夜に渡っている。千夜千冊はもう1700夜に近いので、7夜1冊という感じ。大変お世話になっているし、千夜千冊の影響でどんどん蔵書が増えているのも事実だ。

本をどう読むか、どのようにノートにするか、書棚に本をどう配置するか、今更ながら、問題意識として認識しなおした。まだ素直に問題を捉えることができていなかったことに気付く。考えよう。

素直になれない大きな理由の一つは、セイゴオ・マーキングに必要な条件として、本はノートであるということを受け入れる必要があるからである。多読術によれば、マーキング読書法は「クロニクル(年表)・ノート」、「引用ノート」の作成を経て、その過程で、それらのノートを効率的に取るために、結果として究極の方法として生み出されている。マークしたものをノートに書き写されていたのかと思うと、すごい努力だなあと思う。110ページからの「マッピングで本を整理する」にかなり詳細に語られている。いずれにせよ、地道な努力の積み重ねによって生み出されていることは間違いなく、何事も努力なしには達成されないものだと納得した。難しいところは、引用ノートを項目別に分けるところにある。項目の選び方は自由でよいとはいっても、ある程度よく考えないと、そして、そういう意味での経験がないとむずかしい。後の方ではセイゴオ先生は「テイスト」という言葉を使われている。

結局、読書術はなんのためにあるのかというと、特に多読術は情報を編集して書くためにある。だから読むモデルと書くモデルが交差する。メモや引用などから新たに書き起こさないと意味は出てこない。究極的にはなぜ書くのか、何を書くのかという問題はあるわけだが・・・その向こうになぜ読むのか、何を読むのかという問題が佇んでいる。

本を読むと意味が出てくるのは、意識が媒介する言葉などの記憶との相互作用によるものだ。本には意味はない。言葉や図などの情報がインクの染みとして存在しているだけだ。機械だけで、本から意味を取り出すのは無理だと思う。情報を複製はできても、そこで終わり。パターンマッチによる機械的な編集は可能だが、人間の意識や記憶にあたるものが機械にはない。プログラムで人間の意識や記憶を作ることができるだろうか。意識と記憶のつながりもよくわかっていないのに・・・記憶の構造自体もよくわからない。記憶が意識に浮かび上がるメカニズムも・・・意識自体がよくわからないのだからなおさらだ。記憶が意味になるのも・・・

編集工学の要素は三つある。「単語の目録」と「イメージの辞書」に「ルールの群れ」を対応させている。これだけではなんのことやらということになる。ここはまだ秘密のベールに包まれているのかな。

さて、ここに至ると「知の編集工学」(朝日文庫、2001年)と「知の編集術」(講談社現代新書、2000年)を再読する必要が出てきた。書物の連環とはこういうこと・・・

過去の記事を読んでいると、既に再読の必要性に言及しているが、そのままになっていた。問題意識のレベルが違うので、グルグル回っているわけではない。螺旋階段を上がっているようなものだ。

コンピュータもコンピュータ利用のログから学習すれば、もっと多くの意味を見出すことができるようになるかもしれない。WEBブラウザの履歴から個人の好みや動向を学習するように。ただ、それでも人間のモデルを作ることはできないだろう。一般化された学習というものは無理だからだ。揺れ動く意識の中で、問題のパターンを読み取って、必要なモデルを選び出すことができるようになる必要がある。書いていることや行動だけから人間の思考を推し量ることは難しい。少なくとも現在のGoogleアカウントのアクティビティ・データだけでは難しいだろう。もっともスマホの生み出すログがライフログに近くなるのは遠い将来ではないかもしれない。

・・・書物は一冊ずつがメディア・パッケージで、とりわけそのコンテンツはほぼ大半の本が「ダブルページ」(見開き)になっている。機種ごとに異なるということがない。それが一千年以上続いているわけです。そして、この「ダブルページ」が十冊、千冊、数万冊に向かえる「窓」なんです。これはとうていPCやケータイにはムリです。

(多読術、191ページ)

セイゴオ先生の言われることはなんとなくわかるような気もする。人間にとっては書物のダブルページこそが世界を認識するためのインターフェースなのかもしれない。WORDやPDFはダブルページになるけど、kindleにはページという概念が存在しない。いずれにせよ、PCやケータイでは書物を取り扱っているという実感がない。少なくとも、PCやケータイをマーキング読書法のノートにすることはできない。

逆に僕は、書物やそのノートをPCやケータイに結び付けたいのだけど・・・

更新: 2019-02-17T20:37:15+09:00

1697夜『日本語はいかにつくられたか?』(ちくま学芸文庫、1995年) 小池清治|松岡正剛の千夜千冊。ちょっと驚いた。既に持っている本が取り上げられたからだ。小池先生の本は他に「現代日本語文法入門」(ちくま学芸文庫、1997年)を持っている。ちょっとくだけた感じもあって面白いのだが、やさしくはない。正剛先生のお勧め本は必ずしも読みやすいとは言えないし、面白いとも言えない。読書は単に読みやすくおもしろければよいというものでもないから当然だが・・・

まあ、そういうことで、日本語の成立において、太安万侶、紀貫之、藤原定家、本居宣長、夏目漱石、時枝誠記が大切だということを知る。本居宣長も放りっぱなしだな・・・

2/12/2019 (Tue.)

藤倉大の「chance monsoon」を聴きながら、快速で読み終えた。Apple Musicのスタッフメモには「ギター、ピアノ、和太鼓、三味線、歌、管弦楽。気鋭の作曲家による無限の音世界。」とある。スタッフメモはすべてのアルバムについているわけではない。素晴らしい。「過去300年分ぐらいの音楽が、この40年ほどに凝縮している感覚があります。」というだけある。

「千夜千冊 虎の巻」も、「ちょっと本気な」で確かに「読書術免許皆伝」かもしれないと思った。一番心に残ったのは「書くということは、そもそも説明できないことを発見することなんだ」というところ(263ページ)。実際、そうなると、書き終えることができなくなる・・・目的を達成できなくなるというか、目的が変化していくんだ。突き詰めていくのに四苦八苦することになる。717夜『本を書く』アニー・ディラード|松岡正剛の千夜千冊のお話。

2/11/2019 (Mon.)

くららに行きたいというので、広島駅まで走る。東京藝術大学音楽学部 早期教育プロジェクト 2018 in 東広島 | 東広島芸術文化ホール くららのランチタイム・コンサートに知り合いが出るとか。帰りにブックオフに寄る。村上春樹を探す。いつのまにか、ハルキ本はかなりのコレクションになっている。取りこぼしているものを収集しようという気になっている。村上RADIOの影響がある。「音楽のように小説を書く」・・・昨晩、第4回「今夜はアナログ・ナイト!」があった。

以前は、本日記を蔵書目録化する構想もあったのだが、目録自体に実際的な意味があるわけではない。今や、タイトルなどで検索すれば、書誌事項などたちどころに手に入る。日常的には、その本の実体がどこに存在しているかが問題なのだ。なぜか、読みたくて探すと、本が見当たらないという事態に遭遇する。行方不明の本が何冊も存在する。整理の仕方が悪いという話にも一理あるが、それを認めたからといって出てくるわけではない。

その問題を解消する方法を発明するためのマイ・プロジェクトも随分以前から存在するのだけど、一向に進展がない。実際のところ、書棚の中の見通しが悪いという問題がある。マイ書棚には前中後と奥行があるし、少なくとも前後になっている。昨日、同じような書棚の条件で、世の中の人はどう解決しているのだろうと調べてみると、一つ参考になる方法が見つかった。後ろにある本を底上げして前から見えるようにするというアイデア。これはなるほどと感心、実行可能だ。

それはともかく、ということで、以前は、書誌事項の詳細を「Microformats」、今なら「Microdata」化を想定して、そのフォーマットに従うわけではないが記載していた。どんなフォーマットであろうと、変換するのはスクリプトで簡単にできるからね。今は、著者名「タイトル」(出版社、出版年)ぐらいにとどめている。話題に必要なのはその程度だ。セマンティックWEBも過去の話となりつつあるが、ついでに言えばMicroformatsとMicrodataの違いについて|Web Design KOJIKA17が参考になるだろう。

ナベサダのナイトリー・ユアーズ(渡辺貞夫 Nightly Yours|「渡辺貞夫Nightly Yours」今後の放送スケジュール|JFN PARK)をradiko.jpのHFMタイムフリーで聴いている。さっき、東京FMのエリアフリー・タイムフリーで、ぼんやり聴いていたのだけど、30分で終わってしまう。おかしいと調べると東京FMは30分番組になっている。どうなっているのだろうと思いながら、HFMで聴きなおす。

渡辺貞夫のFacebookを調べると、昨日は尾道で2月のツアーを終了とアナウンスが出ていた。調べてみると、【コンサート情報】なかた美術館 NakataMuseum、なかた美術館主催の「なかた美術館プレミアムジャズコンサート 渡辺貞夫 クインテット 2019」だった。なかた美術館自体を知らないね。うーん・・・今度行ってみよう。

昨晩の「今夜はアナログ・ナイト!」ももう一度聴く。恋愛相談の中に出てくる「100パーセントの女の子」の小説を書いたという話は「カンガルー日和」(講談社文庫、1986年; 元は「トレフル」連載、1981-1983; 平凡社、1983年)の「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」のことだろう。さっき買ってきたばかりだ。

村上春樹の1980年代作品5冊

村上春樹の1980年代作品5冊

「カンガルー日和」に加えて「羊男のクリスマス」、「回転木馬のデッドヒート」、「ランゲルハンス島の午後」、村上春樹・糸井重里著「夢で会いましょう」。

12/02/2018: [映画] ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生に行った時の購入品は、「村上ラヂオ」、「若い読者のための短編小説案内」、「もし僕の言葉がウイスキーであったなら」の三冊。


村上RADIOのページに記載はないけど、村上春樹の話のお相手(パーソナリティ)は坂本美雨。村上氏はDJという役柄、放送時にレコードの埃除去に蘊蓄を傾ける。村上RADIOについては坂本龍一、「村上春樹さんの”音楽の聴き方”は目を見開かされる思いだった」(TOKYO FM+) - Yahoo!ニュースなどの記事も出ている。坂本美雨さんは、坂本龍一氏の娘さん。

連想というには直接的すぎるが、『坂本龍一さんの「BTTB」発表20周年を記念したリマスター再発盤のライナーノーツを、村上さんが手がけたという』話にさらに散財。やれやれ・・・01/20/2019: [Music] BTTBからダイヤモンド・ダスト(Diamond Dust)へ

BTTB - 20th Anniversary Edition -

BTTB - 20th Anniversary Edition -

帰宅したらもう届いていた。最初は何が届いたんだろうと思ったぐらい。村上春樹のライナーノーツのタイトルは「個人的で親密な音楽 - BTTBの世界」、読みながら聴き始めた。深みのある音が響きだした。村上春樹氏は朝早く仕事を始める時に聴くという。アンプのスイッチを入れ、熱いブラック・コーヒーを飲みながら、真空管がじゅうぶんに温まるのを待ち、CDプレーヤーにディスクを入れ、・・・真空管アンプか・・・HW氏の部屋でラックスマン(LUXMAN)の真空管アンプでクラシックを聴いていたころが懐かしい。もちろん、そのころは、そして今もだと思うけど、LPを聴く。


更新: 2019-02-12T19:53:24+09:00
2/10/2019 (Sun.)

昨日のアフタヌーン・デュオ・コンサートを聴いて、ピアノの音の出方に関心が高まったからだ。同じピアノを使っているのに、19組の演奏者から様々な音が出てくる。弾き方で随分音が変わる。今更ながら、今回はそれがとても重要なことに思えたのだ。ピアノで音の出方をコントロールするのはどうするのだろうと・・・

松岡正剛著「ちょっと本気な 千夜千冊 虎の巻 - 読書術免許皆伝」のマーキング読書法は少し置いておいて、「6 --- 茶碗とピアノと山水屏風 --- 古今東西のアーティストごとに本を読む」の中に『グレン・グールドと「草枕」』という項がある。音だけで、人を惹きつけるのは難しい。これができる一人はグレン・グールドかもしれない。

松岡正剛先生はグレン・グールドがとてもお気に入りなのだ(1523夜)。そして、グールドは夏目漱石の「草枕」に入れ込んでいた・・・「千夜千冊 虎の巻」では、カナダのアーカイブ、Collection Search (Beta) - Library and Archives Canadaについて言及されている(300ページ)。980夜の終わりの方に詳細な長い解説がある。千夜千冊の音楽関係の夜は長い。

本書がたいそうユニークだったのは、やはりピアノを演奏するという、誰もができそうで、誰もが深遠な音楽の系譜や軽快なパフォーマンスの歴史にかかわれそうな行為を通して、さて、アマチュアがピアノを通して実感していることは何なのかという、これまでほとんど議論されてこなかった話題を提供したということだった。

アマチュア(amateur)とはもともとは“素人”という意味ではない。その人物が趣味として何を格別に愛好しているのか、その愛好者のことを指している。

だから“amateur de pianos”は「ピアノの目利き」という意味をもつ。「ピアノのアマチュア」とは音色もメカニズムも共鳴感もわかる「ピアノというしくみとそこから派生するすべて」を嗜好したアマチュアのことなのである。

・・・

しかしとはいえ、アマチュアのピアニストは、プロのピアニストとはべつに、気まぐれな味、そぞろ歩きの演奏感覚、その日の感興に敏感であるということもあるし、他人のピアノ演奏を適確に見分けられるという長所をもっている場合が少なくない。なんとも面妖なことである。・・・

(1579夜『ピアノを弾く哲学者』フランソワ・ヌーデルマン|松岡正剛の千夜千冊)

「ピアノを弾く哲学者」の夜は、ブックカフェ20にて - 番外編: ジョン・ケージ (2018/05/27)にリンクを残しているが、特に内容に言及していない。この哲学者にはサルトルが含まれていて、サルトルの音楽論は、評論集「シチュアシオン IV」(肖像集)に入っているそうだ。

グールドがゴルトベルク変奏曲の録音のためにニューヨークのCBSスタジオに現れた時の姿は980夜に詳しい。それがなかったら、ゴルトベルク変奏曲は今ほど有名な曲ではなかったかもしれない。グールドのピアノの練習法、ひたすらバッハを弾くこと。

更新: 2019-02-11T08:32:51+09:00

丸山先生の紙と鉛筆で学ぶ量子コンピュータ入門 | PeatixのアナウンスをFacebookで見ながら、現実的な応用に結びつくのだろうかとぼんやり思っていたのだが、CQ出版の2019年3月号 | Interface - CQ出版「メカニズムなるほど 算数&電子工作から始める量子コンピュータ」の案内メールで、やはり時代は量子コンピュータかなと思い始めた。

現状を理解するにはSC18 - 量子コンピュータで計算の将来はどうなるのか | マイナビニュース(2018/12/28)の記事が良い。研究しようと思っていないのでなければ、普通の人にとってはまだまだ・・・

シリコンバレー101(787) 注目の決算から読む「2019年のApple」 | マイナビニュースネタ。

毎度いい記事。業績がデバイスの販売台数だけでなく、インストールベースに依存するようになりつつある。「実際に使用されているインストールベースのデバイスは14億台に達するが、このうちiPhoneは2018年末に9億台を突破。有料サブスクリプション契約が昨年に1億2000万件増加、3億6000万件を超えた。2020年には5億件に達する見通し。」というのが要点である。

有料サブスクリプションというのは、今のところ「Apple Music」のみである。さて、Apple TVが今後どのように変貌するのか。HomePodの行方も・・・Apple TVのコンテンツにもなっているNetflixやAmazonのPrime Videoはいずれも強力、簡単には攻められない。ハードウェアを持つ優位性をどう活かすのか、今年のWWDCが楽しみ。

既に昨年からいろいろと噂は出始めている。

更新: 2019-02-10T12:16:36+09:00
2/6/2019 (Wed.)

松岡正剛著「ちょっと本気な 千夜千冊 虎の巻 - 読書術免許皆伝」(求龍堂、2007年)が届いた。セイゴオ・マーキングの極意が書いてあるらしいので、手に入れざるを得なかった。

この本は「松岡正剛 千夜千冊」(全7巻+特別巻、求龍堂、2006年)の紹介本でもあるが、インタビューの形式を取っている。ちょっと読んだ感じだと、このインタビュアーは実在とは思えない感じもするのだが、「あとがき - 本に溺れて浮いてみる」には、企業PR誌を編集している「Qちゃん」(事情があって本名は伏せる)ということになっている。Qちゃんは女性でセイゴー先生の「フラジャイル」と「ルナティックス」が大好きという設定、それでいて松岡正剛や千夜千冊をあまり知らないという話は少し気に掛かる・・・

「松岡正剛 千夜千冊」の申込書と一緒に

「松岡正剛 千夜千冊」の申込書と一緒に

虎の巻を読むと「松岡正剛 千夜千冊」がWEB版の各夜が夜毎の時系列の並びになっていないという当たり前のことに納得する。内容的にも50%程度追加され、書き直されている。各巻が1300ページ以上あるそうだ。特別付録が「松岡正剛 千夜千冊」スタンプラリー 全巻構成一覧となっていて、52ページにわたって、1144夜各夜のWEB版を読んだかどうか、当夜の著者を読んだことがあるかどうか、当夜の著作を読んだかどうかをチェックできるようになっている。

求龍堂:松岡正剛 千夜千冊には手が出ていないのだが、WEB版+千夜千冊エディションでなんとか代用できないかと・・・千夜千冊エディションも50-60冊ぐらいになるという話もある。

WEB版「千夜千冊」ももうすぐ1700夜。書籍版「千夜千冊」以降、500夜以上が加わっている。千夜千冊エディションの動向をまず追いかけるべきだろう。


セイゴオ・マーキングの極意は「5 - 日本イデオロギーの森 - この国の奥を見るために、七つの読書モデルをつかってみる」にある。

to be continued...

更新: 2019-02-09T08:08:51+09:00
2/5/2019 (Tue.)

さて、三晩目。「自分で考える本」の逆は「他人で考える本」ということになるかな。「他人が考えた本」というべきか。人が考えた本ばかり読んでもおもしろくない。自分で考えた本を読みたいということになる。実際にはそういう意味ではなくて、自分で考える方法について、相当の体験を注ぎ込み、かなり詳細に書いた本である。得難い・・・

米山先生はコンピュータ・ソフトウェアについてはかなり詳しいが、基本的に使っているのは、カード型データベースFileMaker Pro。この検索はデータベース・ファイル単位でしか検索できないので、複数のデータベースにまたがって検索する場合には、csv出力して、NewNOTEPADProに読み込んで検索するのだそうだ。

カードデータ入力は、腱鞘炎の危険から、ドラゴンスピーチによる音声入力を併用されている。

元々は今や伝説と化したHyperCardを使われていたそうだ。

次のステップでは連想のリンクが付くようなソフトウェアを求めておられる。正規表現を含む一致検索では足りないのだそうだが・・・連想とは自分で考えるということと同義と思うので、何を連想したいのかを思い描いて、そこから検索することと連想は同じだと考えられる。存在していないものは出てこない。

結局、連想とは自分が連想と感じるかどうかで決まるわけで、それが得られるまで検索を繰り返すことになるのではと思う。連想とは何かという定義がなされないとソフトウェアも作れない。

FileMakerを調べてみると、FileMaker Pro は FileMaker Pro Advanced にとある。Appleの子会社なのか、HyperCardという名前の方が良いと思うのだが。そうして、標準添付すれば、もっとMacが売れると思う^^)/~

いや、調べていると、iOS版がある。FileMaker Go。これは無料で取りあえず使える。すごいな。使ってみるか。FileMaker Go - カスタム App を iPhone および iPad で実行。FileMaker Pro Advancedが必須か・・・個人向け、57,600円也。高い・・・僕らが必要としているのはパーソナルデータベース。さて、ねえ・・・Perlで書いてもいいんだけど、モバイルデバイスでデバイス搭載の機能やデータとの連携は無理だろうし、ほかの人に使ってもらうには、工夫がいるね。模索が必要・・・まあ、ずっと探している。AndroidからiOSに戻ってきたところ。ほぼ最新のデバイスが手元にあるから、iOS前提にするしかない。モバイルファースト。

更新: 2019-02-08T20:46:12+09:00
2/3/2019 (Sun.)

村上RADIO - TOKYO FM 80.0MHz - 村上春樹を聴こうと待ち構えていたのだが、気付いたときは終了していた。radiko.jpのタイムフリーでHFMを調べると放送がない。仕方がない、エリアフリーで、TOKYO FMのタイムフリーを聴くしかないと、radiko.jpプレミアムを申し込む。あっという間に聴けるようになる。

ただし、Windows PCのブラウザ再生からのAirPlayはアプリを購入しないとできない。iPhoneとiPadのradiko.jpアプリからのCD-NT670のAirPlay再生を選択できる方法を見つける。MusicCastからのCD-NT670上のradiko.jp再生では、タイムフリーの選択肢はないみたい。

プレスペシャルは村上春樹氏の登場は少なく、第4回の予告編で少し登場。アナログ・ナイトになる、デジタルでは聴けない濃い音楽が聴けると。バレンタインデーに掛けて、恋愛相談も募集中。宣伝もうまい。

今はInterFM897でPeter BarakanのBarakan Beatを聴いている。radiko.jpプレミアムは税別月額350円。これもあるからねと理由付け。FMも全国の局が聴けて、タイムシフトができるなら、有力なコンテンツになりえることに、今更ながら気付いた。

2/2/2019 (Sat.)

米山優著「自分で考える本」の中に齋藤孝著「三色ボールペンで読む日本語」が取り上げられる。本を三色ボールペンでマーキングしながら読むという技法について書いてある。松岡正剛先生にはセイゴオ・マーキングという技法がある。それに似ている。題名に「三色ボールペン」の入った著書には「三色ボールペン情報活用術」(角川ONEテーマ21、2003年)もある。僕はこちらを持っている。齋藤孝先生の著書で持っているもう一つの本が「座右のゲーテ」(光文社新書、2004年)であることを思い出した。言葉と物 LXIV - 「モオツァルト」読解 第1節 (2007/09/23)を参照。

こういったことに気付いて、もう一冊、最近手に入れたのが、「思考を鍛えるメモ力」(筑摩eBOOKS、2018年)。

いずれの著書も読ませる力を持っている。学ぶ力、知識力、応用力、構成力がすごい、月並みではないと感じさせる。知識を関連付け、具体的にわかりやすく組み立てる。少し引用しよう。

ゲーテは常に偉大なものに対して素直だ。勉強し続ける。

シェークスピアの例で言えば、「シェークスピアは銀の皿に金の林檎をのせて、われわれに差し出してくれる。ところがわれわれは、彼の作品を研究することによって、なんとか銀の皿は手に入れられる。けれども、そこへのせるのにじゃがいもしかもっていない」とゲーテは言った。・・・

・・・

たとえば、モーツァルトほど十五歳の時点で音楽について勉強している人間はいなかったと思う。ピカソや手塚治虫もそうだ。天才と言われている人たち、もっとも独創的な人たちの幼少年期を見れば、恐ろしい量を学習している。学習するスピードがあまりにも速いので、基本を卒業するのも早い。そのために、基礎がなくてもクリエイティビティがあるように見えるのかもしれないが、要するに世界でいちばんものすごい量を勉強した人間が独創的な仕事をしているだけなのである。

(「座右のゲーテ - 壁に突き当たったとき開く本」、光文社新書、2004年、61-62ページ)

この本は、有名なエッカーマンの「ゲーテとの対話」についての本でもある。帯には「小さな対象だけを扱う」、「日付を書いておく」、「論理的思考を封印する」、僕はその技法の多くをゲーテから学んだとある。

ゲーテについては、970夜『ヴィルヘルム・マイスター』ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ|松岡正剛の千夜千冊からアプローチする方法もあるが、こちらの道程はかなり長い。辿り着けるかどうかと思ってしまう。気長に進むしかないだろう。ちなみに「イタリア紀行」の上下、「色彩論」、「ゲーテ地質学論集・鉱物篇」は別の方面の関心から入手済み。パラパラとめくるところにとどまっている。

「座右のゲーテ」はゲーテのエッセンスだ。「なるほどそうなの、それは素晴らしい」と思うように取り出して見せる。たとえば、90ページ、「12 使い尽くせない資本をつくる」などを読んでみるとよいだろう。

ゲーテ入門として読むとよい。ゲーテをもっと知りたいと思うようになる。

更新: 2019-02-03T15:06:08+09:00

将棋ファンにとっては、最近突然現れた有力なコンテンツ、Abema TV。休日には一日掛かりで見る。

渡辺明棋王絶好調。感想戦は、切れ味の良い、明快な説明。

1696夜『遺言。』養老孟司|松岡正剛の千夜千冊。十夜一冊で取り上げた本が、千夜千冊で取り上げられたのは初めてかな?

十夜一冊 第千四百夜 養老孟司著「遺言。」 (2017/12/28)。

Rebuildでもよく話題が出る。日本はNetflixユーザーが少ない。なぜなら、AmazonプライムユーザーはそのままPrime Videoのユーザーになれるから。なんといっても圧倒的に安い。競争力抜群だ。ただ、Netflixのコンテンツの質の高さ、豊富さは魅力、悩ましいといったところ。それでもあえて、Prime Videoで済ますのは、いくらよいコンテンツがあったとしても、どうせ視聴時間が足りないという問題があるからだ。Netflixのベーシックプランは月額800円。見たいものがある期間だけ、月額料金を支払うという手はある。Netflixで「アート・オブ・デザイン」を見る (2017/07/17)というふうに。

今後の問題は、焦眉の問題ではないが、テレビ・システムをどういう方向に発展せるのかということにある。4K/8Kを含めた話。とおもっていたら、シリコンバレー101(786) Appleも屈したスマートテレビ、普通のテレビよりなぜ安い? | マイナビニュースの記事が出た。僕の場合は、今のところApple TV(4K未対応)でPrime Videoを見ているので特に問題ないけど、今後の焦点は日本のテレビメーカーが「AirPlay 2」に対応しているかどうかを見る必要があることになりそうだ。ようやく「AirPlay 2」の意味が見えてきた。

やはりYoichi Yamashita氏の記事、Appleの「AirPlay 2」に対応するスマートTV続々、Samsung、LG、ソニーなど | マイナビニュースに詳しい。なるほど、Apple TVの商品戦略は見直しになることは間違いないかも。HomePodは日本には出ていないし。テレビのオーディオ部分を補完するニーズは、オーディオマニアには常にあるわけだけど。

4K/8Kについては、8Kチューナー11月に登場、ただし汎用性なし - 録画人間の末路 -あたりを追いかけていけば間違いないかもかなと思う。スマートテレビやApple TVの動向を見つつ、タイミングを見計らう。成熟度、コスパも当然重要。なにしろ、Prime Videoの映画視聴はSD画質を選択するのだからね。映画の感動は画質にあるわけではない。大画面では必然的に意味が出てくるだろうけど・・・

現状はこんな感じらしい。また4K8K放送見てきた - 録画人間の末路 -。日本のテレビのボリュームゾーンは32インチというのは、そうだろうね。調べてみると確かに、その上が43インチになっている。これは今の設置場所には入らない、むむむっ・・・まあ、工夫すれば置けなくもないが、家庭内配信、録画を含めた環境構築が必要。torne/nasneが使えないだろうし。CATVから入るのが最も安直そうだが、まだ「ケーブル4K放送サービス」は遅れている感じ。需要がどこまで出るか。セットトップボックスを使うなら、合理的には4Kディスプレイ対応かつ4Kチューナー未対応のテレビか、4Kモニターの所有が前提だろう。そんなケースってそんなにないだろう。本当に大丈夫かな・・・もう少し様子見が正解だろう。コンテンツの溢れる現代では・・・

後は、PS4 Proとtorne/nasneの動向を見届けたいかな。Braviaはルームリンクでnasneをコントロールできる。そんなところか・・・

ついでに、ソニーのブラビアは43インチが最低だが、東芝のレグザなら40インチがある。過渡期前提に、仕様表/40V型M510X|テレビ|REGZA:東芝BS/CS 4K録画対応チューナー|テレビ|REGZA:東芝の組み合わせという選択肢はある。ただ、nasne的、ルームリンク的な仕組みが欲しいんだよね。

更新: 2019-02-02T18:45:37+09:00
2/1/2019 (Fri.)

スマホで天体撮影を試している。ただ、構えてシャッターを切るだけで星が写る。ただ、降る雪の結晶粒と同じように、降雪の風景のごとく、夜空を十分に拡大しないと見えてこない。

オリオン座

オリオン座

信じられないような気がするのだが・・・最近のスマホでは当たり前なのかな。


一番下の明るい星がリゲル。ベテルギウスは上の明るい星だが、元々赤い変光星としても知られている。超新星爆発を起こすとされている。ベテルギウス - Wikipedia

さて、一月も終わり。羽生九段は豊島二冠に88手で敗戦、A級順位戦。五手詰めと七手詰めの詰将棋を正解。Apple MusicのFor Youは変わり映えしない。気分を変えたい。Ron CarterのDear Milesを選んで聴き始めた。

ヒューストン・パーソン - Wikipediaは初めて。Bill Frisellは以前聴いたことがあるギタリスト。Ron Carterという曲がある。ビル・フリゼール - Wikipedia

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